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基本的に虐待をしていません、特に人間側が被害をこうむるだけだったりします。 舞台は幻想郷のつもりだったのですが少し不自然な部分もあるので部隊は現代社会とは違うどっかとでも思ってください。 がしゃん!! ゆっくりできたよ!! さすがおとうさんだね!! みんな!!このあたらしいおうちでゆっくりしようね!! 俺が寝ているとそんなやり取りが聞こえてきて目が覚めた。 最初は強盗かと思い、枕もとの竹刀を持ち跳ね起きたのだが、強盗ではなかった。 起きると割れた窓ガラス、そして窓の下でうれしそうに頬をこすり合わせるれいむとまりさのスタンダードな一家。 こいつらは俺が寝ている時に窓ガラスを割って侵入、お家宣言をしたらしい。 まったく、家主が寝ているというのによくもまあぬけぬけと宣言してくれるものだ、まだ起きてる家主の目の前ではっきり宣言する方が正々堂々としていてよろしいと思うね。 「おい、ゆっくり」 「ゆゆっ!?」 「に、にんげんだよ!!おかあさん!!」 おれが一声かけて初めて俺の存在に気づいたらしい、一家は全員俺の顔を見て固まった。 「こ、このおうちは、おにいさんのおうちなの?」 親と思われるまりさが戻りながらも俺に聞いてきた。 「そうだよ」 俺は臆せず答える、何もやましいことはしていないからな。 「いやああああああああ!!」 「にんげんざんにづかまっだらゆっぐりできなくなりゅうぅ!?!?」 「ごべんなざい!!ごへんなざいぃぃぃ!!」 その直後子ゆっくり達は泣きわめき、親ゆっくり達は俺に激しい勢いで謝罪と土下座を始めた、どこかの政治家あたりに見習わせたいね。 「なんだお前ら、人間が怖くて人間のおうちに来たのか?よくわからない奴だな」 「れ、れいむとまりさはにんげんのおうちがほしかったんですうぅぅ!!」 「でもにんげんさんのおうちをよこどりしたらゆっくりできなくなるからにんげんさんのおうちじゃないにんげんさんのおうちがゆげほげほっ!!」 親れいむも親まりさもなきながら、それでもはっきりとした口調で謝罪してきた、れいむはそれでもあわてたのか急き込んだでいたが。 なんでもこいつら、群のゲスから人間の家はとてもゆっくりできると聞いたらしい。 そのゲスは人家に侵入した後はそこに居座ろうとせず、荒らすだけ荒らしたあとすぐに撤収するためいままで人間につかまったことはない。 そしてそのゲスから人間の家は寒い日でも暖かく、おいしいごはんがいっぱいあって、れみりゃのような外敵も簡単には入れないところだと聞いたため、人間の家に住みたいと考えた。 しかし人家に侵入し、そこを自分の家にしようとしたゆっくりはほとんどが家主に見つかり酷い目にあう、家族はそのことを風の噂で知っていたため、一計を講じた。 「それが…人間のおうちじゃない人間のお家か?」 そう、人間が持っていない人間の家。つまり空家を自分の家にしようと考えたらしい。 侵入するとき透明な板は壊すが、誰のものでもないので人間には怒られない、つまりゆっくりできると考えたらしい。 そして間違えてしまうことがないように三日かけて、朝から日没まで茂みの中から俺の家を交代で見張っていたらしい。 途中何度か俺の家の様子を見にきた人間(おそらく郵便とか、新聞の配達だろう)は見たが、家の中に入る人間、中から出てきた人間は一人もいなかったので空家と判断したらしい。 良い案だ、成功すれば不動産屋とかそこらへんが様子を見に来るまでの数ヶ月間は人家をものにできるだろう。 だが相手が悪かった、それはこの家に住んでいるのが俺だったということだ。 俺は完全に昼夜逆転の生活をしている。勤め先が近所の居酒屋で、ベテランとして重宝されているため毎日のように一晩中働いているのだ。 昼から夕方のあたりに起床し、飯や仕事に行く支度をし、日没後、夜に出勤、閉店直前の近所店で生活用品とかを買って勤め先に置かせてもらう、 一晩中働いて日が昇るかどうかという時間に買い物袋を持って帰宅、そのまま飯を食ってから寝る。 そんな生活をしていたため、日中のみ家を見張っていたこいつらには家に出入りする俺が確認できなかったのだ。 「ごめんなさい!!おうちにかってにはいったことはあやまるからゆるしてね!!」 取り合えずこいつらはここが俺の家であること、勝手に入って悪かったことを認め誤ってきた、自分にはゆっくりを虐めて楽しむ趣味はなかったはずだが… なんだろう?ごめんなさいと、何度も繰り返してはおでこを床にこすりつけるこいつらを見ていると、こいつらの生死をすべて俺が握っているのだと考えると、なんかむらむらとしてきた。 「わかった、そんなに謝らなくてもいいよ」 「ゆっ!ゆるしてくれるの?」 「ばか、誰が許すって言った」 「ごめんなさい!!ごべんなさざいいぃぃぃ!!」 「だから謝るなと言ったろう?」 「ゆ?」 …なんだろう、面白くなってきた。 「まず、お前たちがいくら誤ったところで俺に許す気はないから見苦しい謝り方はやめろ」 「ゆ…じゃあどうすればゆっくりゆるしてくれるの?」 「れいむはなんでもするよ!!まりさや子供たちを許してもらうために何でもするよ!!」 笑いたくなってくるね、こいつらの生死は俺しだいだってことが分かってるから何とか俺の機嫌を損ねないようにしてる、本人たちは必死なんだろうが握ってる俺から見たら滑稽なことこの上ない。 某国の独裁者とか、ファンタジーに出てくる名前を言ってはいけないあの人とかは自分の部下を極刑に処するとき、きっとこんな気分だったんだろう、何という優越感だ。 「じゃあ、何ができると言うんだ?」 「「ゆ…ゆっくりできるよ!!」」 その瞬間、俺はしないを床にたたきつけた。 「馬鹿がっ!!おまえたちがゆっくりしてどうするんだよ!!俺をゆっくりさせろよ!!」 「じゃ、じゃあ…おうたをうたうよ!!そうすればおにいさんもゆっく…」 その瞬間、俺はしないを床にたたきつけた。 「馬鹿がっ!!お前たちゆっくりの歌ごときで俺がゆっくりできてたまるか!!」 「ゆーん、ゆーん…」 「おかあさん、れいむたち、どうなるの…?」 「まっててね、いままりさとれいむでかんがえるからね…」 おお、迷ってる迷ってる、せっかくだから、助け船を出してやるとするか、まあ、そこに穴があいてるんだけどな。 「いいか、お前ら、よく聞けよ」 「ゆ?」 「お前たちが俺の家に間違って入ってきただけなら俺だってそんなに怒りはしない、誤ったなら許してやるさ。 でもな、お前たちはおれの家の窓ガラスを割ったんだ、窓ガラスってのはあの透明な板のことな?ここまでわかるか?」 「ゆっくり…りかいしたよ…」 「つまりお前たちはだ…俺の家を壊したってことなんだよ!!」 「ゆああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?」 「わかるか!?俺は謝ってほしいんじゃない、割れた窓ガラスの代わりがほしいんだ、窓ガラスそのものじゃなくてもいい、窓ガラスと同じくらいの価値のある物をよこせと言ってるんだよ」 「ゆ!ゆっくりりかいしたよ!!」 理解したところでどうするってんだ、馬鹿が。ゆっくりが窓ガラスに匹敵する価値のものなんて出せるわけないだろう? 「じゃあ、まりさとれいむがごはんをがんばってあつめるよ!!」 「残念、人間はゆっくりのご飯を食べないんだ、人間にとってはお前たちが食う雑草や虫なんかは全く価値を持ってないんだよ」 さあ、どんどん選択肢がなくなってまいりました。 「ど、どうしようまりさ…」 「ゆっくりまってね、ゆっくりかんがえるよ!!ゆーんゆーん…」 「やっぱ無理みたいだからみんな殺すしかないかな…」 むろん、こいつらの慌てふためく姿を見た後は叩き潰す…つもりだった。 「まってね!!まりさたちをころしてもおにいさんはまどがらすとおなじかちをてにいれることはできないよ!!だからころさないでね!!」 正論だ、むしろ潰したりしたら後片付けをする必要もあるから逆に俺が損をする、饅頭に正論を言われて納得する日がこようとは…いかんいかん。 「ゆぴーん!!ゆっくりひらめいたよ!!さんさいさんをもってくるよ!!そうすればまりさたちをゆるしてくれる!?」 「山菜?」 「さんさいさんだよ!!まえもりのなかでにんげんさんがさんさいさんをとっているのをみたことがあるよ!!さんさいさんならにんげんにもかちがあるよね!!」 結局、俺はまりさを話してやることにした。 今日の日没までに山菜を持ってくること、日没までに帰ってこなかった場合は人質として預かったれいむと子ゆっくりを皆殺しにすることを条件に、だ。 帰ってこなければそれでよし、帰って来ても量が少ないとか言って絶望させたうえ、いたぶってやる…そんなSな部分全開だった。 職場で客から聞いたゆっくり虐待の話を思い出したのが原因か、このとき俺はひどく興奮していたんだと思う、それこそ病的なまでに。 実はこのとき、すぐに全員逃がすか皆殺しにしていればよかったのだが… まりさが帰ってきたとき、俺はどんな言葉でこいつらを虐めてやろうかとずっと考えていた。 れいむがしっかりしていたからか、子ゆっくりが騒がなかったため言葉攻めする理由が見いだせなくてうずうずしていたのだ。 しかし、まりさの帽子の中を見て俺の心の中の黒い感情は消し飛んだ、逆にゆっくりに対する畏敬の念まで抱きかけたと言ってもいい。 マツタケだった、今まで自分が食ったこともないような大きいのが10本近く、外国なら軍人の靴下といわれるような匂いを発している。 まりさが言うには前に山の中で見た人間がこれを集中的に集めていたからきっと価値のある物だと思ったらしい。 「おにいさん、まりさたちをゆっくりゆるしてね?」 許さない理由がなかった。むしろこいつ等を家で飼ってやろうとも思った。 「ああ、許してやるよ、ついでに晩ご飯も食べていくといい!!ついでに俺のペットにならないか!?!?」 けっきょくまりさたちは「おにいさんにめいわくはかけれない」と言ってペットになろうとはしなかったが晩ご飯を食べに行くこと、 たまに松茸をうちに持ってきてくれることは了承してくれた。 これで人生はバラ色だよ!! 俺の夕食はマツタケご飯という豪華なものだった。 ゆっくり達の餌はシメジを混ぜたねこまんまのようなものだった(ゆっくりにとって匂いや希少価値は重要ではないらしくシメジの方が高価値らしい) 俺は久しぶりに豪華でぜいたくな食事をしていたのだが… 「すいませーん!御二居さーん!!いますかー?警察の者ですけどー!!」 国家権力の介入によって中断された。 「はい、どうしたんですか?なにかあったんですか?」 「ゆっくりを利用した窃盗及の容疑で逮捕します」 「はあ!?待ってください!!何でそんなことに!?」 「近所の山の持ち主から通報があったんですよ、松茸を大量に持ったゆっくが人里の方に向っていくのを見たから気になって追いかけてみたらお宅の家だったって」 まりさが松茸を取ってきた山は近所の人間の私有地だったらしい。そして野生生物に取られるのは問題ないとしてゆっくりの駆除などは行わない人だった。 「いえ、ですがあいつらは野生のゆっくりですよ!?」 「家の中に上げて餌食わしているのに野生だって言い訳しても通るわけないじゃないですか」 そう、ここ最近、ゆっくりを使った窃盗事件が起きていることを忘れていたのだ。 家族を人質に取った野生のゆっくりや自分で育て、訓練した飼いゆっくりにに他人の畑や商店などから窃盗を行わせる。 成功すればその場で殺すか回収、人間に追われ自分に助けを求めてきたらその場で潰し、取り返すことに協力したいい人を演じる。失敗したら知らん振り。 「そんなのこいつらに聞いてください!!俺が人の山の中で松茸取って来いって命令したわけじゃないんです!!」 「何言ってんのあんた、ゆっくりの証言なんて参考になるわけないでしょ、とにかく署までご同行願いますよ」 そして現実社会でゆっくりの証言が参考になったケースなどほとんどない、ごく数例、ゴールドバッチをもった第三者の飼いゆっくりの証言が参考になったぐらいである。 ゆっくりを使った犯罪が明るみに出たのもあるゆっくりが窃盗を行わず、標的の商店の人間に助けを求め、店員が警察に通報したからだ。 こいつらはただの野良、警察が飼いゆっくりだといってもバッチがないため扱いは野良と変わらない。 何ということだ、結局俺はゆっくりを虐待して、長時間いたぶってやろうと思ったせいで警察行きだ。 そして山の持ち主が最近多発しているという人間の手による山菜の採取についても余罪として俺を訴えたため裁判にかけられることになり長時間身柄を拘束されることになるだろう。 最初の松茸以外には証拠がないから余罪については無罪だろうが、どう転んでも前科がつくことは避けられない。 そしてさらに俺にとって悪いことにあのゆっくり達はは公正の余地ありとしてペットショップに引き取られたということだ。あいつらは野生にしては頭がよかった、 きっと俺のことなんか忘れて、松茸業者にでも重宝されて幸せなゆっくり生を歩むに違いない。 なれてないゆっくり虐待をしようとした結果がこれだよ!! 11月12日 0729 セイン このSSに感想を付ける
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三月も半ばを過ぎ、春を間近に迎えながらもまだまだ寒さの続く冬のある日。 かがみは泉家を訪れた。 「おーっす。寒いねー」 「いらしゃーい。さ、上がって上がってー」 セーターの上に半纏を重ねたこなたにうなずいて返し、彼女の部屋へと進みかけるが、 「あ、和室行っててよ。コタツつけてるから」 「え? ……ああ、うん」 台所に向かうこなたに制され、思い出した。 今日は彼女以外に誰もいないのだった。 勝手知ったる人の家。迷うことなく廊下を歩き、目的の部屋のふすまを開けて中へと入る。 「――ふぅ」 ほっと一息。 エアコンでほどよく暖められた空気が、冷えた身体を包み込む。 上着を脱いで、ハンガー等はないので適当に丸めて荷物とともに床に置く。 コタツに入って足を伸ばし、座り心地を確かめるように軽く身じろぎ。正座の姿勢で落ち着いた。 「うー、あったか……」 ぺたり、天板に頬を預けてつぶやく。 しばらくそのままぼんやりしていたが、聞こえてきた足音に反応して身を起こす。 「ふあー、台所は寒っむいねぇー」 開け放しておいたふすまを抜けてこなたが姿を現した。 両手に抱えたおぼんには、みかんの入ったかごと二人分の湯呑み。 「悪いわね」 「いやいや」 おぼんをコタツの上に載せ、ふすまを閉じるとこなたもいそいそと潜り込む。 かがみの向かいではなく左隣。 部屋の角に置かれたテレビを二人で眺める形だ。スイッチは入っていないが。 「生き返るねぇー」 先ほどのかがみと同じように、天板に顔を押し付けるこなた。 見事に平らに潰れたほっぺたが柔らかさを主張している。 緩んだ顔といい、丸められた背中といい、本当に猫のようだ。 ぴこぴこと揺れるアホ毛は、さながら尻尾か。 「……、もらうわね」 なんとなく生まれた気恥ずかしさをごまかすように、湯呑みに手を伸ばし取り寄せる。 緑茶。残念ながら茶柱は立っていない。 湯気を立てるそれに息を吹きかけ、一口。 「ほっ……」 まろやかな渋みとほのかな甘みが喉を通り抜け、じんわりとした熱が胃の奥を中心に広がる。 かがみは思わず頬を緩めた。 それを見て、こなたはかすかに目を細める。 「かがみはさ、」 「ん?」 「冬は好き?」 唐突かつ脈絡のない質問にも、もう慣れた。 ん、と湯飲みを置き、少し考えて口を開く。 「そうねえ……寒いのは苦手かな」 「夏生まれだから?」 「ああ、そうかも」 ふーん、と、姿勢をそのままみかんに手を伸ばすこなたに、かがみは逆に問いかける。 「あんたは? 冬と夏」 「冬」 即答したこなたは、みかんの皮を剥くでもなく、手の中でもてあそんでいる。 「……ちょっと、意外ね」 「いや~、クーラーが人類の至宝だっていうのに異論はないんだけど、やっぱコタツの魔力には 敵わないっしょ」 ようやくにして頭を起こし、こなたは無駄に力説する。どこからクーラーが出てきたのか。ため息。 「また何かのアニメネタか?」 「コタツ形式の冷房ってできないのかな」 「暑苦しいだけだろ」 やれやれ、とお茶をもう一口。 湯呑みを置いて、吐息で笑う。 「……ま、私もコタツは好きだけどね」 「でしょー」 くふくふと笑い、こなたはみかんを剥き始めた。 かがみもかごに手を伸ばしかけたが、なんとなくやめて、代わりにコタツの中へと引っ込める。 「そうね。コタツにストーブ。鍋料理とか、焚き火に焼き芋とか、あとお風呂もかな。 暖かいものが楽しめるって考えると、冬もいいかなって思うわ」 「人肌もね」 皮を剥き終えたみかんをそのままに、こなたがつぶやく。 「え……」 いつの間にかコタツの中に滑り込んでいたその手が、かがみの手を取った。 果物を触っていたためか、少しひんやりとしている。 「あったかいよ」 こなたからは、そうであろう。かがみの方は熱い湯呑みに触れていたのだし。 「ちょっと……」 「な~に?」 笑いを含んだ疑問符とともに、もう一方の手も伸びてきて、やわやわと揉んでくる。 かがみの背筋に何かが走った。 「冬は、好き?」 「……まぁ」 「コタツは?」 「……好き、だけど」 「あったかいもんね」 「……うん」 いつしか冷たい感覚は消えうせ、むずがゆい暖かさに指先が包まれている。 むずがゆいが、不快ではない。 「あったかいの、好き?」 「…………ん」 「……私の手、あったかい?」 暖かい。 だがコタツの外で空気に触れている頬の方が、今は熱い。顔を背ける。 「こっち見てよ」 「っ……!」 妥協案として、目線だけを戻す。 こなたはいつものニヤニヤ笑いではない、優しい微笑を浮かべていた。 かがみの頬が熱を増す。 「みかん……」 「ん?」 「……食べないの?」 耐え切れなくなりそうで、話題を変える。が、 「みかんと緑茶ってっさ、あんまり相性よくないよね。あったかくないし」 「あんた、自分で出しといて――」 「だからさ、」 かがみの言葉を遮って、こなたは顔を近づける。 「今はまだ、だいじょうぶ」 「なに、が……」 わかってはいる。なら聞くなというのは、かがみには無理な注文だ。 少しだけ視線を下げると、はい正解、とばかりに猫口から赤い舌先がちろりと顔を覗かせ、 引っ込んだ。 「あったかいと思うよ?」 「……」 「あったかいの……好き?」 もはや顔全体が熱い。耳にまで及んでいる。 だから熱はもう十分――そうは、思わなかった。思えなかった。 「…………す、き」 「んふっ?」 蕩けたように微笑むこなたの顔がさらに近づき、目を閉じた。かがみも閉じる。 そして温もりが訪れた。 「ん……」 こなたの舌先が、かがみの唇の割れ目をなぞる。 少しだけ開いて迎え入れると、器用に前歯をノックされる。 小さな小さな水音が、脳の奥まで伝わった。 もう一段階、進入を許す。 「ふ……」 まず、吐息。続いて舌先同士が触れ合う。 無味無臭。そのはずなのに、痺れるように甘い。腹筋がぴくりと浮き上がる。 嬉しそうに笑うこなたの気配が粘膜越しに伝わってくる。かがみの体温がさらに上昇。 コタツの中の手を握り返した。 悔し紛れに、なってない。 「――んっ」 手首を親指でなでられた。思わず唇に力が入る。 「んむっ」 挟み込まれたこなたの舌が小さく暴れる。優しく噛んで動きを止める。 先端を軽く吸ってみた。 「……っ」 ふるふるとこなたの震える気配。同時に舌が引っ込む。 ちぷっ。 小さな音を立てて、熱と柔らかさが離れていった。 目を開けると、上気したこなたの顔。唇に手を添えている。 目が合った。 ほんのわずかに戸惑っていた表情が、一瞬でニヤリと笑う。 「……積極的じゃん」 「なっ……!」 かがみの顔が沸騰した。 こなたがますますニヤニヤ笑う。 「舌吸われちゃったよ」 「しょっ――しょうがないでしょ!」 「しょーがない、ね……そかそか♪ そんなに吸いたかったんだ、私の舌」 「――――っ!!」 頭のてっぺんから湯気が噴出する。 少なくともかがみはそう感じたし、こなたにもそう見えた。 「…………」 「んふふふふ~」 真っ赤になって睨みつけるかがみの視線を意にも介さず、こなたは上機嫌にみかんを割る。 一房を摘み取り、ぱくり。 あむあむと動く猫口が恨めしい。 恨めしくて、目が離せない。 こなたはたっぷり時間をかけて飲み込むと、もう一房。 かがみの方へと差し出した。 「はい」 「……」 無言で手を伸ばす。引っ込められた。指が空を切る。 「……何よ」 低い声で、赤い顔で腐るかがみに、こなたはにっこりと笑顔を返す。 「あーん」 「なっ――」 驚いて口を開きかけて、慌てて閉じて、顔ごと逸らす。 「かがみ、あ~~ん?」 小さな手が追いかけてくる。 「……ぃ、ぃぃゎょ……」 なるべく口を開けないようにして、ごにょごにょとつぶやく。 こんな態度を取っても逆に喜ばせるだけだと、やはりわかってはいてもどうにもできない。 「もぉ~、しょうがないなぁかがみは」 案の定、わざとらしいぼやき声。 が、それ以上の追求はなく、意外にも大人しく手が引っ込んだ。 え、とかがみは顔を戻す。こなたはみかんの白いスジを取り除き始めていた。 一つ目は普通に食べていたのに。 思いつつ見ていると、続いて薄皮まで剥き始める。 他の柑橘類に比べて剥きにくいはずの、ノーマルな温州みかんのそれを、小さな細い指が 器用にはいでいく。 やがて鮮やかなオレンジ色の、缶詰から取り出したような一房が完成した。 「……なにやってんの?」 「んー? ……皮がノドに詰まらないように、ってね」 はい? と疑問を深めるかがみをよそに、こなたは「あむっ」とみかんを口の中に放り込む。 と、そのまま何の前触れも見せずにかがみの頭を両手でがっしりとホールド。 「え」 次の瞬間、口をふさがれた。 「――んむ!?」 唇が強引にめくられる。歯に、舌ではない何かが押し付けられ、当たる端からプチプチと潰れていく。 あっという間に酸味のある液体が口の入り口付近にあふれ、こぼれそうになり、たまらず歯を開いた。 甘酸っぱい味と香りが口腔に押し寄せる。 反射的に嚥下する。 休む間もなく、今度はやや薄味の、代わりに粘り気を帯びたものが流し込まれた。 こなたの唾液だ。 意識したとたん、全身が反り返るような震えが走った。 腹の底から何かが競り上がってくるような、あるいは逆に全てが沈み込んでいくような、快感。 くちゅくちゅと卑猥な水音が、それをさらに加速させる。 夢中になって飲み込んだ。 喉が痺れる。 脳が痺れる。 「――っぷは」 「ぁ……」 唇が離れる。 快感が途切れ、一拍遅れて口の周りが冷気に襲われる。 目を開けると、思いのほか近くにこなたの顔があった。 息がかかる距離。 真っ赤に上気している。 潤んだ瞳が、かがみの目をまっすぐに覗き込んでいた。底の見えない深い色。 吸い込まれそうになり、思わず息を呑む。 つややかに濡れ光る唇が、にんまりと笑みを描いた。 「……ものたりない?」 「んなっ!?」 図星だった。 首の周りがカアッと熱くなる。 理性が必死で否定を叫ぶ。が、 「……」 気が付けば、かがみは口元を手で押さえながら首をコクリと縦に振っていた。 上目遣いに覗き見ると、こなたは少し驚いたような顔。 「あれぇ……? どしたのかがみ? なんか素直じゃん」 「悪かったわね。ツンデレじゃなくて」 「いやいや、そのセリフは十分ツンデレだって」 「うるさい」 視線を横に逃がし、蚊の鳴くような声を絞り出す。 「だって……最後なんでしょ、今日で」 「……あ」 こなたの発する気配が変わった。 そう。 こうして二人きりの時間を過ごせるのは、この日が最後なのだ。 明日からはそうではなくなる。完全にできなくなるわけではないが、機会はぐっと減るだろう。 「ん~……、半分、口実みたいなもんなんだけどねぇ」 ぽりぽりと、頬を掻くこなた。 眉が下がり、目が細くなっている。 「ま、だいじょぶだよ。なんとか時間作ってみるから」 「……場所は?」 「……たぶん、だいじょうぶ」 不安が少し、大きくなった。 かがみと、そしてこなたも。 「ごめん」 「なんでかがみが謝るのさ」 「……良いこと、なのよね。わかってるのよ私も。でも……」 かがみはまだいい。だがこなたは複雑だろう。 自分はただ単純に恨めしく思うだけだが、彼女にとっては喜ばしいことでもあるはずなのだ。 今のこの関係を自分が望みさえしなければ、こなたも単純に喜ぶだけでいられたかも知れない。 それを思うと、胸が苦しい。 「もぉ~~、ほんとしょーがないなぁかがみは」 「きゃっ」 いつの間にかコタツを抜け出していたこなたが、かがみの背後から抱きついてきた。 肩があごに乗せられ、頬が触れ合う。甘い匂い。落ち込みかけた気分と体温が再び跳ね上がる。 「考えたってどーにもならないよ。……そんなことより、ね?」 「そ、そんなことって」 「ってゆーか、だからこそ時間を無駄にしたくないじゃん?」 ごく至近距離からの流し目。息を呑む。 まるっきり子どもみたいな外見のくせして、どうしてこんなに蟲惑的な気配を出せるのか。 とてもじゃないが、逆らえない。そんな気になれない。 「……うん」 うなずくと、こなたはますます目を細めた。 「ホント、素直になっちゃって」 指先が首筋をなでてくる。 「んっ!」 あごから耳までのラインを往復。 同時に、熱したハチミツのような声がダイレクトに流し込まれる。 「ツンデレなかがみんも萌えだけど、素直なかがみも、かわいいよ?」 「ばかっ……」 声に力が入らない。全身が粟立っている。 「ばかだもん」 こなたは抱擁を解くと、かがみの隣にぺたんと座り込み、再び両手で両手を包み込んできた。 目は相変わらず妖しく輝いているが、その笑みはどこか無邪気に映る。 「ねぇ」 見た目に相応の甘えた声。 「……なに?」 「今度は、かがみからちょーだい?」 ピシリ。 そんな音がした。 「なっ……!?」 すっかり身を任せる気でいたかがみを、再び動揺が襲う。体温がさらにさらに上昇。 計ったら凄いことになりそうだ。――そんな現実逃避。 そうこうしている間にも、こなたは目を閉じ、やや上向きになって準備万端。 赤ちゃんみたいなほっぺたがほんのりと薄桃色に染まっている。 ほんのり薄桃だとこの野郎、こっちはリンゴみたいに真っ赤っかだってのに。――そんな現実逃避。 「こっ、こな、た……」 声が震える。 こなたは動かない。 どうやら完全に待ちを決め込んでしまったようだ。 ごくり、つばを飲み込む。 かがみは意を決すると、目を閉じ、身を乗り出して顔を前に進ませた。数センチ。 薄く目を開ける。 まだあと数センチ。 目測を定め、また目を閉じる。 さらに意を決して、じりじりと顔を寄せていく。 「……」 じりじり、じりじり。 「……」 じりじり、じり…… 「……?」 疑問が湧く。 こんなに遠かっただろうか。見当をつけた距離は既に通過したはずなのに、唇が温もりに届かない。 眉をひそめて目を開ける。 「……」 赤く染まったこなたの顔があった。 しかしそれは、期待にでも羞恥にでもなく、喜悦に。 繋いだかがみの手に違和感を与えない限界まで、上半身が後退していた。 「……ぷっ……」 膨れた頬から笑いが漏れた。 「なっ……!」 からかわれた。 キスしようとしている顔を、至近距離、真正面から観察された。こんなに恥ずかしいことはない。 頭の中が真っ白になり、白熱し、爆発した。 「――ばかぁっ!!」 絶叫。 耳から首元まで真っ赤に染めて、涙を飛ばして、かがみは叫ぶ。 こなたが目を丸くしてのけぞった。 「ご、ごめん……」 「ごめんじゃないわよ! なんでこんなことするのよっ!」 「やっ、だって、その……かがみが可愛かったから、つい……」 「ばっ――あ、アンタはそんなことばっかりっ!」 怒鳴り、そっぽを向くかがみ。 あからさまな照れ隠しだったが、こなたは指摘してはこなかった。 代わりに繋ぎっぱなしだった手をきゅっと握ってくる。 「あの……」 「……」 「ごめんね、かがみ。……うん、ホントごめん」 「……」 「ついいつものノリでやっちゃった。そんなに傷つけちゃうとは思わなかったから……」 珍しく真摯に、心からこなたは詫びる。少なくともかがみにはそう聞こえる。 しかし真横を向いたまま動かない。 「……」 いや、視線だけが時おりちらちらとこなたの方に向いてしまっている。 単純なものだ、と、外に出さぬよう自嘲する。 既にかがみは九割方許す気になりかけていた。こんな、たった一言二言謝られただけで。 しかし、やはり、悔しい。 せめて何か一つ、余裕を持って「許す」と言えるだけの理由がなければ収まらない。収めたくない。 「……ねぇ、どうしたら許してくれる?」 猫なで声でこなたが囁く。 気付いているのだろう。かがみのそんな感覚に。 「お願い、かがみ。なんでもするからさ。言えた義理じゃないけど、このままなんてイヤだよ」 「……」 形だけなら懇願だが、意図するところはつまり譲歩だ。 謝ってやるから機嫌を直せと、そう言っている。 ――だったら、乗ってやろうじゃないか。 「……なんでも?」 「うん」 「そう……」 ぼそり、つぶやき、かがみはこなたに向き直る。まず目線だけで。一拍置いて、顔と身体も正面に。 向き合う体勢に戻った。 「じゃあ……手」 「手?」 「離して」 冷たく突き放すように言うと、軽く裏切られたような顔をしながらも、こなたは素直に手を離す。 その様子を見てやや溜飲を下げつつ、かがみは自由になった両の手で、先程されたのと同じように、 こなたの頭を鷲掴みにした。 「え」 「動かないで」 そして一言。 ほぼ同時に掴んだ顔を引き寄せ、自分も押し出し、唇に唇を押し当てた。 「!?」 こなたが目を剥く。 本能的にか、身をよじって逃れようとする。もちろん思い通りにはさせない。 勢いに任せて舌を突き入れ、上下の唇の裏側をぐるりと一周。手の中で小さな身体がびくりと跳ねた。 そんな反応にかがみは心の中でガッツポーズを決める。 成功だ。 たった今、言われるがままにやったおかげで酷い屈辱を味わう羽目となったそのことを、 さらに自分から繰り返してくるとはまさか思うまい。そのように考えての行動だ。 あとはこなたが気を取り直して反撃に転じる前に口を離せば―― 「あ……」 「……♪」 「!」 見た。 切なそうな物欲しそうな顔。と、見られたことに気付いて焦る顔。 一瞬だけだったが、確かに見た。 「おっけ。許してあげる」 「うぐぅ……」 どこかで聞いたような呻きを上げて上目遣いに睨んでくるこなたの視線を、 かがみは満足感を持って受け止める。 「何よ。私からして欲しいって言ったのはあんたでしょ」 「ウヌゥ……」 「その上でさっきのも許してあげるって言ってるんだから、感謝しなさいよね」 満足感。 達成感。 優越感。 それらに浮かされ――かがみは油断した。 「だったら……もういいよね」 「え?」 こなたが何かをつぶやいた。 それが聞こえたと思ったときには、かがみの視界は縦に九十度回転していた。 「……え?」 押し倒されていた。 「もうチャラってことで、始めちゃってもいいよね?」 目が据わっている。 いつもの余裕の笑みが消えている。 「ちょ」 「待たない。てか今ので火ぃついちゃった」 言うが早いか、目の前の顔がさらに急接近。何を思う間もなく、ふさがれた。 「んんっ!?」 間髪をおかず熱いカタマリ――こなたの舌が、かがみの唇の裏側をぞろりと一周。 肩が抜けそうになるほど縮み上がった。 舌は続いて歯の内側まで再度侵入し、上あご、下あご、頬の裏、歯茎、舌の裏、そして舌。 口腔内のありとあらゆる箇所を舐め、くすぐり、ねぶり、這いまわっていく。 「~~~~――っっ!!」 呻き声すら舐めとられるよう。 首が限界まで反り返る。折れそうだ。腰が引きつって、右足が跳ね上がり、空を切る。 半ば無意識に伸ばした腕が、何故かコタツの足を掴んだ。 違う。これじゃない。 まるで言うことを聞かない指を苦労して引き剥がし、再度中空をさまよわせる。 「……っ、……!」 触れた。柔らかい布地。 こなたの半纏だ。 縋りつき、引き寄せる。 素直に身体を預けてくるこなた。 軽い。 下唇を甘噛みされた。 さらに舌先でちろちろとくすぐられ、次いで再び口腔内を蹂躙される。 背骨の末端にひりつくような痺れが生じ、瞬く間に全身に伝播した。 真っ白な衝撃が脳髄を突き抜ける。 意識が一瞬、どこかに跳んだ。 そして、 「…………――っぷは」 唇が離される。 「ぁ……」 数秒だったのか、数分に渡っていたのか。 それすらも判別がつかなくなるほどに溶かされたかがみの頭が、とりあえず酸欠から 開放されたことだけを理解する。 「はぁ……はぁ、は――ぁ…………」 呼吸もままならない。 軽く達してしまったらしい。 「――かがみ」 声が降ってきた。 けっこうな努力をして焦点をあわせると、真正面。つまり真上に、こなたの顔。 思っていたよりも若干距離があった。上体を起こし、髪をかき上げている。 「にゅふふ、いーいカンジに蕩けてきてるね」 自分の指を舐めながらそんなことを言って、そしてまた、ずい、と顔を寄せてくる。 が、今度は唇を素通りし、脇へと逸れた。 「んっ」 熱い吐息が耳をなでる。 「可愛い声、いっぱい聞かせて?」 「そ……――ひっ!?」 言葉と同時、音もなくかがみのスカートの中に滑り込んでいたこなたの指が、 最も敏感な部分にいきなり触れた。 「わっ♪ こっちもとろとろ」 「そっ、んな、こと――んんん、んっ!」 下着の上から、中指が割れ目をなぞり、親指が突起を的確にこね回す。 「ふ、ううっ、や……あ、ああっ!」 声が抑えようもなくこぼれ落ち、腰が勝手にびくびくと跳ねる。 「てか、濡れすぎじゃない? アナルの方まで染みてきてるよ?」 「あなっ!?」 とぼけたような日常口調の中に唐突に混じりこんだ卑猥な単語に、脳が沸騰する。 「そ、そういう――ぅうっ、こと、言う、なぁ!」 「いつまでも初々しいねぇかがみは」 あざけるような声。 けれど決定的なところで優しさを残した声。 かがみの背筋を震わせる。 「こんだけ濡れてれば、もうだいじょぶかな?」 囁いて、こなたはかがみの下着をずらし、入り口に直に触れた。 「んっ……」 思わずのけぞり、腰を引いてしまうが、こなたはぴったりとついてくる。 しかし――それだけだ。ついてくるだけ。 指は先ほどまでのように入り口付近を浅くなぞるだけで、奥にまで入ってこようとはしない。 「こな、た?」 閉じていたまぶたを片方だけ開けると、愉しそうに笑っているこなたと目が合った。 「どっち?」 「え……?」 意味がわからない。 何が「どっち」だというのだ。 両目とも開き、視線で問いかけると、こなたはますます笑みを深めた。 かがみのよく知っている、こなたの笑い方。 いたずらを仕掛けてくるときの顔だった。 「ど・う・す・る・?」 「あっ、や、うっ」 声のリズムに合わせてクリトリスをタッピング。 もだえながら、理解した。 こいつっ、言わせる気だ。 「ほらほらかがみ? もう行っちゃう? それともも少しほぐす?」 「う、うう……」 やはり。 かがみに“おねだり”させる気だ。 「こなっ……たあ……っ!」 「うん、私はここにいるよ? どうして欲しい?」 「ど、どうって……んあっ、うっ!」 「ね、ちゃんと言って?」 「だ、だか、らぁ……っ」 囁く間も、こなたは指の動きを止めようとはしない。 強すぎず、弱すぎず、一定の調子で入り口だけをゆるゆるとなぞり続ける。 もどかしい刺激に思考力が削られる。 「お――」 「お?」 「……おねがいっ、こなた……!」 だというのに、羞恥心だけが最後まで残り続けるのは何故なのだろう。 「う~ん……ダメだよかがみ。ちゃんと言わないとわかんないよ?」 「ばか……っ!」 胸元にしがみついて怒鳴るが、そんなことで怯む相手ではない。 怒鳴ったといえるほどの声も出せていない。 「ほぉら、かがみ」 「うっ……」 「このままでいいの?」 「やっ、あ、っくぅ……」 「さっきみたいに素直になってよ。ね?」 こなたの声も少しずつ熱を帯び始めている。口調も懇願のそれに近い。 が、かがみは気付かない。 そこまでの余裕は既にない。 そして、ついに。 「う、ううぅ……こなたっ」 「なに、かがみ?」 「……おねがいっ。入れて……っ!」 ついに、言った。 言ってしまった。 ただでさえ熱かった頭と身体がさらに発熱する。血液の代わりにマグマが流れているかのよう。 「入れるだけで、いいの?」 しかし、こなたはなおも言う。 「――っっ!!」 ガリっ。 食いしばった奥歯が嫌な音を立てた。欠けてしまったかも知れない。 どうでもいい。 そんなことは、どうでもいい。 もう限界だ。 「か――掻き混ぜてっ! 気持ちよくさせてっ!」 叫ぶ。 声が裏返る。 「……」 こなたが一瞬だけ、心から幸せそうに笑ったが、その肩に顔をうずめているかがみにはわからない。 「……よくできました」 ただ、囁き声に秘められた喜びと、頬への口付けに込められた優しさは、理解できた。 「じゃ……ごほうび、あげるね?」 「あっ……」 つぷり。 こなたの指が、入り口を割って潜り込んでくる。 「うっ、あっ」 激しい異物感。 これが本当に、こなたのあの細い指なのかと思う。 そしてそんな思考も、すぐに快感に押し流される。 「相変わらず、キツキツだね。まだ二本が限界かぁ」 「んっ――あ! あぅっ!」 ゆっくりと、丹念に。 まるで何かを探すように、指は襞のひとつひとつをなぞり上げていく。 「ひっ、き、あ、うあっ!」 奥に手前に小さなピストンを繰り返し。 また右に左に捻りを加えながら。 「っ! ――はぁっ……ふあ、あ、あ、ああ、あっ」 じわりじわりと、確実に、かがみの中心へと迫っていく。 そうして奥まで来くると、今度は襞を引っかきながら戻っていく。 「っくぅぅぅ……っ!」 「足閉じちゃだめだよ、かがみ」 「だっ……だ、って……!」 そんなことを言われても、閉じたくて閉じているわけではない。 腹筋が縮み上がったまま戻らない。 「――あっ! う……あ! そこっ!」 と。 ひときわ強烈な電気が、腰から脳髄までを一気に駆け抜けた。 「ん? ここ?」 「だっ! やっ! だ、めっ……!」 散々に焦らされたせいもあるのだろう。快感が増大し、身体がまるでいうことをきかない。 突かれるたびに全身がでたらめに跳ね回る。 首がのけぞり、後頭部が畳に擦れる。 「前と場所違わない?」 「知ら――や、はあっ! ……しら、ない……わよっ! くっ、ああぁあっ!」 「むふふ、まいーや。ココね」 「まっ、ちょ――――ひぁあっ!?」 まぶたの裏に火花が散った。 指の動きが変わった。 往復、回転、ともに大きくなり、奥に来たときにはたった今見つけられたポイントを的確に押していく。 くちゅ、くちゅと、攪拌の音も粘り気を増し、なけなしの理性を切り刻む。 思考が掻き乱され、磨り潰される。 頭の中で快感と羞恥がせめぎ合う。 「ここかー? ここがえーのんかー?」 「あ、あっ、あ、あ、あーっ、あ、だめ、っあ!」 気持ちいい、恥ずかしい。 恥ずかしい、気持ちいい。 双方が双方を増幅しあい、それ以外のことがどんどん押し遣られていく。 「やあっ! あ、だめっ、だめ……そっ!」 「お、そろそろイっちゃう?」 「やっ!」 図星だった。 必死で顔を背けようとするが、こなたはそれを許さない。 空いている方の手でかがみの頬を捕らえ、やんわりと、しかし有無を言わせず向きなおさせる。 「逃げちゃだーめ」 「いやっ、見ないで、ばか、あっ……!」 「だが断る。かがみの一番カワイイとこ、見・せ・て?」 「やっ! だめっ! ふあっ!」 こなたが指のペースを上げた。 ハァハァと熱い吐息が耳にかかる。 そうして――手首を大きく捻りながら、親指でクリトリスを押し潰した。 「イッ……――――――――っ!!」 弾けた。 白い、何かが。 強烈な浮遊感。いや、落下感。 曖昧な白に意識が塗り潰されて、かがみは果てた。 「可愛かったよ」 かがみの髪を梳きながら、頬に軽く口付けつつ、こなたが言う。 「……ばかぁ……」 息も絶えだえに抗議を返すが、弱々しいその声は、こなたをさらに喜ばせる効果しか持たなかった。 悔しい。 愉悦に蕩けきった笑顔が恨めしい。 そんな反応を少なからず嬉しく思ってしまう自分が、何より悔しい。 「さて」 と、こなたが半纏を脱ぎ捨てた。 セーターとスウェットの上下も脱ぎ去り、下着姿になると、かがみの服にも手をかける。 「それじゃ、脱ぎ脱ぎしましょうね~」 「え、ちょ」 まだ少し力が入らないが、反射的に抵抗する。 「だから待たないってば。こんなもんで終わるわけないでしょ」 確かに。 まだ自分の方しか気持ちよくなっていないし、ここまでなどと思ってはいないが、 「はい、バンザ~イ」 「じ、自分でするってば」 いやらしく伸びてくる手を振り払い、身体を起こすと、かがみはゆるゆるとボタンを外し始める。 しかし、 「……」 「全部脱いでね?」 指をもたつかせていると、こなたが言った。胡座をかきながらニマニマと笑う。 「え? 全部?」 「うん」 思わず手が止まる。 いつも『半脱ぎの方が萌えるから』と恥ずかしい格好ばかりさせたがるのに。どうしたというのだろう。 やはりこなたも、最後ぐらいはまともにと思っているのだろうか。 「ベッドの上以外だと全裸の方が萌えるんだよね」 「……」 脱力する。 そんな殊勝な相手ではなかった。 「あ、でも靴下は残してね?」 「……もぅ……ばかっ」 ☆ 「かぽーん」 湯気の立ち込める空間に、間の抜けた声が響いて消える。 「なによ、いきなり」 「んー? お風呂場っていったらこの音でしょー」 あのままさらに小一時間ほど肌を重ねたあと、かいた汗を流すために二人で風呂に入っている。 二人とも浴槽に浸かり、こなたはかがみの足の間に三角座りで納まって、胸元にもたれかかる体勢。 自然、かがみはこなたを抱き抱えるように、その肩に両腕を回している。 互いに預け合う体温と体重が、ただ心地よい。 二人分の長い髪の毛が、湯の中で溶け合うように複雑に絡み合っている。 「……でも、何の音なんだろ」 「知らないわよ。洗面器か何かじゃない?」 「ふーん」 つぶやくと、こなたは湯船から身を乗り出して洗面器を手に取り、そのまま床に打ちつけた。 コンッ。 軽い音が浴室に響く。 「……音、違うよ?」 「知らないってば」 ため息混じりにかがみは笑う。 しかし、確かに言われてみれば、何の音なのだろう。 かがみの読む漫画やラノベでも風呂場のシーンとなるとそんな擬音が使われることが多い気がするが、 実際に聞いたことはないように思う。 「むー。かがみが冷たい」 元の位置に収まりなおしたこなたが、不満げに唇を尖らせる。 「身体はこんなにあったかいのに」 「悪かったわね」 「中は熱いぐらいなのに」 「やめんかっ! このセクハラ親父!」 怒鳴り声が反響する。 酷い下ネタだったが、即座に返せてしまった。 付き合い始めのころはもっとずっと軽いものでも真っ赤になって固まっていたのに。 この半年ほどで、すっかり慣れてしまった。オタクな知識も随分と増えた。 どんどんこなたに染め上げられていく。それが実感できる。 多少は悔しさも感じるが、これは言い換えればココロの距離が近づいているということでもある。 そう考えると、やはり嬉しい。 かがみは思う。 これから先、自分はどうなっていくのだろう。 さらに半年後には。そして一年、二年、三年後には――否。 そんな、ことよりも。 明日、以降は。 かがみは、そしてこなたは。 どうなって、しまうのだろう。 「……ねぇ、こなた」 「んー?」 「その……名前、なんていうんだっけ」 「え? ――ああ、ゆーちゃんだよ。小早川ゆたかちゃん」 コバヤカワ、ユタカ。 それが、この泉家に居候することになる、こなたの従妹の名前。 実際に住み始めるのは明後日からだが、明日はその準備があるらしい。だから今日が最後なのだ。 「ゆたか、ね。なんか男の子みたい」 「あ、ソレ言っちゃ駄目だよ。気にしてるみたいだから」 「そっか。ごめん」 こなたの言葉に、とりあえず謝るかがみだったが、あまり気持ちは入っていなかった。 仕方がないといえば仕方がない。 彼女の出現により、こうして二人きりで過ごせる機会は確実に減ってしまうのだ。 しかも、恋人であるかがみを差し置いて、こなたと一つ屋根の下で暮らすことになる女の子。 良い感情を持てという方が無理な話だ。 かがみはそのまま、こなたの首に回した腕に力を込めて、縋りつくように抱きしめた。 「かがみ?」 「……信じてるんだからね?」 「や、説得力ないよ?」 苦笑いの混じった返答。 「だって……」 「もぉ、何度も言ってるよね? ゆーちゃんはホントに妹みたいなもんなんだってば。かがみだって つかさとどうこうなったりしないでしょ?」 「……」 確かにその通りだ。 かがみだってわかっている。仮にそうでなくとも、こなたは浮気などしない。 そう見せかけたイタズラならやりかねないが、一線を越えることはきっとない。 わかってはいるが、しかし、やはり理解と納得は別の問題だ。 「あー、もー」 ざぱっ、と勢いよく、こなたが立ち上がった。 反転し、かがみに向き直ってくる。そしてとっさに反応できずに固まってしまったかがみの頭を、 先ほどのように両手で、しかし今度はそっと包む。 またキスをされるのだろうか。 今はそんなものが欲しいわけではないのだが、されること自体は嫌ではない。 目を閉じる。 が、訪れたのはコツンと軽い感触だった。唇ではなく額。目を開ける。 「大好きだよ」 「……」 「私が好きなのは、かがみだけ」 何故だろう。 完全な不意打ちとなるはずだったその一言は、かがみの心に無理なく浸透し、 全身に優しく溶け込んでいった。 ――ああ、これだ。 ――これが欲しかったんだ。 ようやく、埋まった。 渇きにも似た嫉妬心が掻き消えて、代わりに歓喜と幸福感が湧き起こり、そして溢れ出す。 「……私も、」 目の前の瞳をまっすぐに見つめ返しながら。 すう、と一息。 「大好き」 瞬間、こなたが目を見開いた。 一拍遅れてその顔が真っ赤に染まり、 「っぷお!?」 奇声を発しながらのけぞった。 「え?」 「か、かかがみ……ズルイよ。それハンソク」 デレデレに茹だった顔と声。こんなこなたを見るのはかがみも初めてかも知れない。 「ちょ、な、なによ。どうしたのよ」 大いに戸惑う。 “それ”とはなんだ。何がここまでこなたを不覚にさせた。 確かに、かがみの方からこなたへ、ここまでまっすぐに真正面から愛情を伝えることは稀ではあるが…… 「…………ねぇ、こなた」 否。 稀ではない。皆無だ。皆無だった。 つまり、今のが始めてだ。 「な、なにさぁ」 やや回復しつつあるこなたの手を取って、かがみはぐっと身を寄せる。 「え、ちょ」 押されるように上体を反らすこなた。湯が大きく波打って、少し溢れた。構わずかがみはさらに迫る。 「こーなたっ」 恥ずかしさをぐっと堪えて、笑う。 「だ、だから、なにってば」 「……大好き」 「っ……!」 一瞬でまた茹で上がる。 かがみはニヤリと意地悪く――傍目にはだらしなく――笑った。 「どうしたのぉ? こなたぁ?」 「ど、どうって、そんなの」 必死で目を逸らそうとするこなただったが、逃がさない。 肩に背中に手を回し、しなだれかかる。 「もしかして……イヤだった?」 「そ、そんなわけないけどっ」 「ほんとに?」 「あ、当たり前、じゃん」 「そう? ありがと。嬉しい」 にっこりと笑顔を作る。 いや、作るまでもなく、顔全体が勝手に緩んでいく。 かがみにも恥ずかしい気持ちはもちろんある。顔のみならず全身が熱を持っている。 湯のせいだけではない。 しかし今は、それ以上に、 「大好きよ、こなた」 「~~っ!」 こなたの反応が、楽しい。 「……ああ、かがみが、かがみが壊れてしまわれた。村はもうオシマイダアー」 「何よそれ」 「だって! そんなのズルいよ! いきなりデレデレになるなんて! ――はっ! さてはキサマ、 偽者だな! おのれっ、本物のかがみをどこへやった!?」 ぐいぐいと抱擁を引き剥がしにかかりつつ、こなたが喚く。 「ふふふっ、駄目よ? そんなネタに走ろうったって逃がさないんだからね?」 「う、うぐ……」 「知らなかったわ。あんた、こういうストレートなのに弱かったのね」 「ううぅ、一生の不覚だよ……」 とはいえ、それも今このときだけだろう。 次に同じことをしてもきっと上手く行かない。よほどタイミングを読んで隙を突かなければ。 それに、あとで冷静に戻ったら、逆にこのことをネタにからかわれてしまうに違いない。 でも。 ――だから、 「ねぇ、こなたも言って?」 「いっ――さ、さっき言ったじゃん」 「もっと言ってよ」 「うぅ~……」 「おねがい」 「……わかったよぉ。――その、かがみ」 「うん」 「す、好き……だよ」 「私も大好きっ」 「う、ううううぅ……ぅにゃあーっ! もおーっ!」 今の内に、思いっきり甘えてやろうと、かがみは思うのだった。 了 コメントフォーム 名前 コメント GJ -- 名無しさん (2022-09-29 16 50 53) ああああああああああ!!!! 何て素晴らしい百合だあああああああああ!!!!!!! -- 名無しさん (2013-09-10 23 09 11) 二人で頑張ってください!! -- 名無しさん (2010-08-22 12 30 50) いい…… やはりこなかがはこうでなくては! -- コメント職人U (2009-11-22 13 09 32) 悶えるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ なんという甘甘SSなんだ超GJ! -- 名無しさん (2009-10-11 03 38 20) な、なんというあまあまえろす… -- 名無しさん (2009-01-11 11 44 12) これがっ…最萌えSS…!! -- 名無しさん (2008-12-24 00 31 13) もうデレッデレwwwww萌え死んだwwww -- 名無しさん (2008-12-23 04 17 19) こなた可愛いッwやっぱこなかがにはあんまいエロスが似合う(ぉ -- 名無しさん (2008-12-15 00 53 08) これ大好きだ -- 名無しさん (2008-12-12 00 24 18) ラブラブはいいよね…こなかがはいいよね…らき☆すたはやっぱりいいよね…作者殿、GJです!! -- にゃあ (2008-12-04 17 20 04) GJ!良いエロス!良いこなかが!!乙女なこなたも好きだけど、普段の こなたのままかがみとラブラブしてるのも良いですなぁw とにかく萌えました!www -- 名無しさん (2008-12-03 00 26 20) 読んでた俺も思わず「ぅにゃあーっ!」 -- kk (2008-12-02 23 24 05) ラストのこなたの動揺だけでもコレはもうどんぶり五杯は硬いw -- 名無しさん (2008-12-02 19 26 58) 何この破壊力 -- 名無しさん (2008-12-02 03 07 57)
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前置き ゆっくりのセリフに読みやすくなる程度に度漢字を使用しております 補足は最後に適度にしてます しーしーの穴=まむまむとしています 舞台は幻想郷じゃない現代っぽいどこかです ゆっくり実験所 加工所やゆっくり見せモノ屋と違いゆっくりを研究し実験する施設 加工所と密接な関わりを持ち虐待用品からゆっくりフードまで幅広く開発する会社である しかし職員に好き物が多いのは言うまでもなく嗜好的な実験も数多く存在する 「そういえばさ、胎生出産のヤツってでるとこなくなったらどうなるんだ?」 職員の一人の言葉からこの実験ははじまった ある程度の個人的趣味は取り入れてもいいとはいえ実験前は所長に許可を取りに行くのが通例である まぁたいていは一言で終わるのだが 「おうおうやれやれ」 こうしてこの実験は開始された まずは胎生型のゆっくりペア(れいむxれいむ まりさxまりさ ありすxありす)を3組用意する そして人工的に発情させ夫婦共々にんっしんっすれば準備完了である 約2週間後- 「そろそろ赤ちゃん生まれそうだな」 「ゆゆ!れいむのあかちゃんもうすこしでうまれるよ!」 「れいむはうごけないからおにーさんもっとたべものをもってきてね!」 はいはい・・・と適当に相槌をうち白玉に少し砂糖をまぶした物をケージの中に放り込む 「「むーしゃむしゃしあわせー」」 元野良の2匹にはこれだけでも至上のご馳走である それを2週間も与え続けたためこの2匹はおにーさんへの警戒心がまったくなくなっていた 「おいしいのはいいが・・・お前達知ってるか?」 「ゆ?なんのこと?」 「いやな・・・・ゆっくりの間で流行ってる病気なんだが」 「ゆっ!?れいむたちびょーきなの!?」 饅頭であるゆっくりにも病気はある 野良は特に虫を媒介とした寄生虫や湿気によるカビ・・・ 何でも餡子に変えるが十分に栄養を取れないと病気になるらしい 「お前達はいいんだがお腹にいる赤ちゃんが死んじゃう病気らしいんだ」 2匹の顔が強張る ここにつれてこられ不安なときに相方とであった おにーさんがゆっくりぷれいすとご飯をくれてはじめてゆっくりできた日に結ばれた二匹 そしておにーさんの[ここでしばらくゆっくりしていいから2人で出産すれば?]の言葉からすっきりし合ったあの日 ずっとゆっくり幸せだった瞬間が壊れるかもしれないとよぎる 「おにーさんれいむのあかちゃんたすけてね!」 「にんげんさんなられいむたちのびょーきなおせるでしょ?ゆっくりしてないでなおしてね」 ここに来たとき1匹は瀕死の重傷だったのをおにーさんが小麦粉と水とオレンジジュースで治したのを覚えていたのだろう 「うーん、でもお腹の中の赤ちゃんだぞ?お腹を切らないと手術できないしなぁ」 「ゆっ!?そんなことしたられいむしんじゃうよ!そんなこともわからないの?」 「そうだよ!またあんないたいおもいしたらゆっくりできないよ!」 ゆっくりじゃなかったらゆっくりできないどころじゃなく死ぬ 「大丈夫だって、れいむだって餡子でてたのに生きてるだろ?赤ちゃんのためにあれをがまんできるかできないかだよ」 「ゆぅ〜・・・」 「おにーさん・・・れいむのおなかをきってね!」 「ゆゆ!れいむなにいってるの!そんなことしたらしんじゃうよ!」 「おなかをきってしゅじゅつしないと赤ちゃんしんじゃうんだよ!れいむもゆっくりりかいしてね!」 「ゆ〜・・・わかったよ!おにーさんれいむもゆっくりしゅじゅつしてね!」 もっと悩んでもいいと思うがさすが餡子脳 即決で切腹することを決めるあたり子供思いというか単純というか 「OKOK、じゃあ手術は明日するからそのつもりで今日はゆっくり休んでおけよ」 「ゆっくりりかいしたよ」 「おにーさんもゆっくりねてね!」 こうしてれいむ夫婦の実験のための説得が完了した ちなみにまりさとありすもこんな感じの説得だったため割愛する 眠らせてもいいが面白くないのと反応を記憶したいので起きたままの状態で手術がはじまった 手術といっても別段病気でもないしゆっくりを説得するためにつかった言葉なのだが 「い”だい”!!!!やべでええええええええ!!!!!!」 と、台の上でれいむが叫んでいる 「赤ちゃん死んで良いのか?」 「ゆ”ぐ!?だめだよ!ゆっくりしてないではやくしゅじゅつしてね!」 想像通りの反応が返ってきたところで職員は手術を続行する 懸命な読者の諸君ならもうわかっているだろうが手術が終わるまでこんな感じであるため割愛する 「ゆぐぅ・・・れいむとってもいたかったよ!おにーさんばかなの?しぬの?」 「なんでいたくできないの!」 手術が終わったら手を返したように罵倒してくる 1匹は育ちがいいのか教育がいいのか悪口はいってこないがしょせん元野良なのでその程度である 2匹いるためか調子にのって暴言を吐く饅頭達 「しゅじゅつがおわったんだからあかちゃんのためにおかしをもってきてね!」 「そうだよ!さっさとばかなにんげんはれいむのおかしをもってきてね!」 「うるせぇな糞饅頭が・・・」 「「ゆ!?」」 突然職員の口調が変わる 手術をすればこっちのもの もうおだてる必要などないのだから 「黙れっていってんだよ!」 ズンっ・・・という音とともに殴られたれいむが吹き飛び壁に激突する 「ゆ・・ゆぐぅ・・・」 さすがゆっくりに実験と研究した職員 皮越しにもかかわらず中枢餡に一撃でダメージを与え気絶させる 「快・・・感!」 ビクンビクンするゆっくりを見て少々悦に入るこの職員変態である 「れいむしっかりしてね!おにーさんなにするのれいむはにんっしゆぎゃゃぁぁあああああ!!!!!!」 職員はもう1匹のれいむにも一撃をくわえる 今度はかなり手加減したので気絶していない 「なでぃずるの!でいぶはにんしんじでるんばよ!ばがなの!じぶの!?」 呂律が回ってないのも毎度お馴染みなので無視して職員はれいむの髪をつかみ持ち上げる 「やべでねでいぶのぎれいばがみのげさばらないでね!」 「いいか?おしえてやるよ」 「ゆ?」 「お前達の赤ちゃんは改造した」 「ゆ”ゆ”?」 かいぞう? ゆっくりにはその言葉が理解できなかった 「かいぞぶっでなびなの?」 殴ったとき歯が折れたらしくまだ呂律が回ってない あとでオレンジジュースでも注射しよう 「赤ちゃんを強くしたんだよだからあの程度どころかお前が潰れるぐらい蹴ったって赤ちゃんは死にゃしねーよ」 「ゆ・・・・・ゆゆ!りかいしたよ!さすがれいむのあかちゃんはゆうしゅうだね!」 呂律が戻ってる・・・オレンジジュースがもったないないしこのままでいいか 「俺が改造したって言ってるだろうがこの餡子脳!」 そういって壁に叩きつける 実は親も改造されているので中枢餡を吐き自殺もできない そして皮は丈夫に痛みはそのままという虐待専用改造である ちなみに真性虐待癖の人はこの改造はあまり好きじゃないらしい 「やべでぇえ”え”え”え”!!!!!!!」 「でいぶばにんじんじでぶんだよやべででぇ!!!!!」 この後職員は退勤時間まで虐待して遊び続けたのはいうまでもない 3度目なのでもう言う必要がないだろうがまりさとありすも同じような状態である 手術内容の報告- 「変わった趣向だな」 「今回は資金集めも担ってますからね」 「ふむ・・・」 所長と実験責任者がレポートのチェックをしている 「虐待好きのための見世物・・・か」 「気に入りませんか?」 「いやそうじゃない・・・私がしたかった・・・」 「所長はもうちょっと自分の権限使ったほうがいいですよ」 「そうかもな」 含み笑いをする二人 その笑みには虐待癖特有の感覚が含まれていた ゆっくりが見ればこれだけで震え上がるだろう 「共通してることは母体の強化及び赤ゆの強化及び成長促進剤の投与、そして出産直前までオレンジジュースで栄養過多の状態にします」 「それ以外はこのレポートの通りか」 「はい、目を通しておいてください」 れいむへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)を切除し溶いた強力粉で再生させる措置 強化してるとはいえ出産の圧力がどれほどかわからないため強力粉を使用している まりさへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)とあにゃるを切除し溶いた強力粉で再生させる措置 ありすへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)とあにゃるを切除し歯を溶かし上下を接着する措置 数日後- ありすは目が覚めた 周りには沢山の人がいるにも関わらずそこはとても静かであった 「んー!ん”−!」 必死に助けを求めようとするが歯が接着されているので話すことができるはずもない 出産まで少し時間があるので母体達がどのような状態か説明しておこう オレンジジュースを大量に投与されたありすの体はたぷんたぷんのデブゆっくりである 鏡の無いこの場所では自分の姿がどのようになってるかわからないだろう しかしこのありすは1匹ではない 伴侶を見るとたぷんたぷんのデブありすが目に入る 自然界のありすならば[いなかもの]と罵ったであろう このありすもはじめは伴侶がデブになっていく姿に軽蔑していたのだから しかしお互いいつからか理解してしまった 自分も同じ姿なのだろうということを れいむとまりさは言葉が話せる状態だったため 「まりさはまりさがどんなすがたになってもさいこうのつまとおもってるぜ」 「ぽっちゃりしたれいむもすきだよ!」 と言っていたのが気に入らなかったのか 職員は整形して作った超絶絶世美ゆっくりれいむとまりさを2組とすごさせとことんこの2組に惨めな思いをさせていた ちなみにこの美ゆっくりは中身を白餡に変えられ躾られているので虐待されたりはしない こうして説明してる間にどうやら時間が来たようだ 「ゆゆ!れいむのあかちゃんうまれそうだよ!」 「まりさのすてきなあかちゃんがもうすぐうまれるぜ」 「ん”−!(訳:とってもとかいはなあかちゃんがうまれそうね)」 こうして実験兼見世物は開始された 数分後(ありす編)- 「ん”ん”ん”ん”ん”!!!!!!ん”ん”ん”ん”!!!!!!!!!!!」 力んでも力んでも赤ちゃんが外にでる気配はなく終わらない激痛だけがあいすを支配する 「(あのまま殴りてぇ)」 「(動けない箱に入れて・・・ハァハァ)」 ここでは声を出すと退場となるんで観客たちは静かだが顔をみるだけでこの観客の98%が変態だとわかった 「ん”(略)(訳:どおしてうまれないの!?あかちゃんとかいなありすの子供なんだからゆっくりしてないででてきて!)」 眼球が半分隆起するほどの苦しみ 普通のゆっくりだけじゃなくほととんどの生物は死に至るであろう苦しみ だがその苦しみさえも強化改造されたこのゆっくり達には死に至らない程度の苦しみ 「ん”(略)(訳:ゆぎぃいぃいいいいい!!!!赤ちゃん何してるのぉ!??!?!?!?!?!)」 1匹のありすがこれまで以上の異常なほどの苦悶を浮かべる 「お、はじまりましたね」 「予想通りだが妄想より現実だなやはり」 「ですよねー」 研究員達は笑いながらありすの苦しんでる様をメモしている 「ん”!(略)(訳:どおしたのありす!?しっかりしてね・・・ゆぎゃぁああああああああ!!!!!!!!!)」 もう1匹のありすもさらに苦しみだした ここからは普通にありす達が話してますがしゃべれない状態です 別に書くのがめんどくさいとかじゃありませんわかりやすく分けただけですってば! [ゆぅ・・・このみゃみゃじゃありちゅはおしょとにでれにゃいんだよ・・・しょうだ!でぎゅちをさぎゃせばいいんだ!] (やべでえええええええええ!!!!!あじすのながびだべだいべぇえええええええ!!!!!!!) 出口がないなら出口を探す 親は言葉が話せないので静止することもできない 静止したとしても出ることがかなわないだけだが [むーしゃむーしゃしあわせー] (ゆぎゃああぁぁぁあばああああああああやべでぇえええええええいぎゃいびょぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!) 親の餡子を食べる子供 食べられ苦悶するがそれを伝えるすべを持たない親 成長促進の影響もあり食欲旺盛な子供の勢いは止まらない 甘いものを食べてるゆっくりは常識的に考えて止まらない 「おー、これは中々新鮮な苦しみ方ですね」 「あの不規則な中の規則的な痙攣・・・充血を超えて出血した見開いた目・・・流れ続ける涙・・・最高だ!」 もうやだこんな所長 [はやきゅそちょにでてみゃみゃにあいしゃちゅすりゅんだよむーしゃむーしゃ] (ゆ・・・ぎゃ・・・ばんで・・・・・・・・あが・・・ゃん・・・) さすがに餡子を食べられては強化されてるとはいえ限界であった [ゆ!?みょうたべりゃれりゅとこりょがにゃいよどうにゃったりゃでれりゅの?!] ゆあーんと餡子をすべて食べられた母親の中で泣きだす赤ゆっくり そこに職員が近づいていきナイフで母体の皮を切り穴を作った 「ゆ!おしょとだよみゃみゃにあえりゅよ!!」 「「ゆっくりしちぇいっちぇね!」」 父と母の中からて二匹同時にゆっくり挨拶 しかし両親からの挨拶はあるはずもなかった 「ありちゅちゃんちょあいちゃちゅできちゃよ!みゃみゃみょあいちゃちゅしちぇね」 「死ねるんだから挨拶できるわけないだろ」 職員が赤ゆに声をかける とびきりの現実と共に 「にゃにいっちぇるの!ありしゅはみゃみゃきゃらうみゃれちゃんだよ!」 「しょうだよ!みゃみゃがしんじぇたりゃありちゅはうみゃれてにゃいんだよ!」 なんでこんな知識があるかは不明だがこのさい置いておこう 「赤ちゃん達は外に出る前に甘い物を食べたよね?」 「ゆゆ!ありちゅはあみゃいもにょをたべちゃよ!」 「もちきゃちておにーしゃんがくれちゃの?にゃらもっとありちゅにちょうだいね!」 「あぁ食べさせてやるよ・・・」 そういってママの中に指をいれ残った餡子を取り出す 「にゃにちちぇるの!」 「やめちぇぇええええみゃみゃをいじめにゃいでぇぇぇええええ!」 「食べてみろ」 グイっと指をありすの口に入れる 「やめちぇねきもちわりゅい・・・」 「みゃみゃにょにゃきゃみなんてたべちゃくな・・・」 「「しあわせー!」」 二匹はしあわせーと美味しいものを食べたときの言葉を発する 「もっちょありちゅにたべしゃせてね!」 「もっちょちょうりゃいね!」 母親から取り出した餡子ということをすでに忘れている赤ゆ さすが餡子脳 「さてここで問題です」 「みょんだいにゃんていいきゃらおきゃしちょうりゃいね」 「今食べた餡子は何だったでしょうか?」 「おきゃしちょうらいっていってゆんだよ!ばきゃなの?しにゅの?」 「問題に答えれたらまた食べされてあげるよ今度はいっぱいね」 「ゆ!ゆっくりりきゃいしちゃよ!!」 「いぴゃいたべれりゅにゃらありちゅがんびゃるよ!」 問題に答えれば甘いものが沢山食べれるとゆっくり理解する しかし成長促進された餡子脳はしばらくすると気づいてしまった 「ゆぎゃぁぁぁあああああ」 「ありしゅ!?しっきゃりしちぇねどうしちゃの!?」 突然1匹が奇声をあげる そう気づいたのだこの赤ありすは 母親を食べたことを 「ゆべぇ・・・ゆがぁ・・・・」 「ありしゅがしにちょうだよ!ゆっきゅりぺりょぺりょしてにゃおすよ!」 そういって奇声を上げているありすを舐めるもう1匹のありす ペロペロのせいか落ち着きを取り戻したありすがゆっくり話し始める 「ありちゅ・・・ゆっきゅりきいちぇね・・・」 「ゆゆ?どうちちゃの?」 「ありちゅたちがたべちゃあみゃいおきゃちはねみゃみゃたちにゃんだよ」 凍りつくもう1匹のありす こちらも異常成長した餡子脳が理解したのだ 母親を食べたことを 「ゆ・・・・ぁ・・・・・みゃみゃ!!!!!」 「はいそこまでー」 母親の死体にかけよるありすをつかみ透明なケースにいれる職員 「にゃにするにょ!ありちゅをおりょして・・・」 ケースに蓋をされ外に声が漏れなくなった もう1匹も同じようにケースに入れられている こちらは傷心しうなだれているが 「さー、本日のショーの1つはここで終了です!皆様が今見たとおりこの強化されたゆっくりの強度は保障済みです いつもならこの赤ゆっくりは研究所いきですが今日はこの赤ゆっくりを競りに出したいと思います!!」 ウオォー!という歓声につつまれる劇場内 実験所で強化されたゆっくりが競りや売りにだされる事が稀であるため興奮が抑えきれないのであろう 「さぁまずは1000円から!」 こうしてありすの実験は終了した この赤ありすは今後死ぬまで虐待されゆっくりできることは数える程度の人生を歩むであろう 数分後(まりさ編)- 「あかちゃんゆっくりしすぎだよはやくうまれてきてね!」 ありす同様中々生まれてこない赤ちゃんに苛立ちを隠せないまりさ 日頃受けていた虐待がれいむやありすより強烈だったため出産の痛みはさほど苦しくないようだ 「どぼじでぇうばででごないどー!!」 と思ったら1匹は苦しいようだ 「まりさがんばってね!ふたりのすてきなあかちゃんのためだよ!」 「わ”わかったよ!まりさもがんばるよ!」 冷静なまりさが苦しそうなまりさを諭す そのおかげで苦悶していたまりさも落ち着きを取り戻し力むことを再開する だがいつまでたっても赤ちゃんがでてこない まむまむが広がらないのだ 「やっばでぃだべだよぉ!?」 「ゆゆっ!?なんであかちゃんうまれてこないのぉ!?」 さすがに冷静を保っていたまりさも不安がぬぐいきれなくなる 植物型にせよ哺乳類型にせよゆっくりは子供の出産を本能で理解している そのため自分をゆっくりな状態にして出産に挑むのが通例である 劇場内でこれだけの人目の中での出産は異常だが事実を切り離すことによりゆっくりな状態を作っている 本当に餡子脳はバカで便利にできている 「ゆばぁ!?ゆあああああげぇあああああああ!?!?!?!!???いだい!?いだいよぉあああああ!!!!」 苦しんでいたまりさが痛みを訴える 「ゆゆ?まりさどうしたの?」 「まりさのあん・・・こ・・・たべあ・・・・・ゆべぇ」 ゆべぇ・・・と口から黒い物体を吐き出す そしてその黒い物体はもぞもぞ動き出し 「ゆっきゅりしちぇいってね!」 ゆっくり挨拶をした 「ゆ?ゆゆ!?」 なんで赤ちゃんが? まりさの口から? なんで? 赤ちゃんがまりさを? 「ゆああああああああ!!!!!!!!!おなかのなかのあかちゃんはやくしんでね!」 ドスンドスンと何度も飛び跳ねお腹の中の子に死ねと言い放つ 毎度の事ながら都合よく危機を理解したのだろう 目の前の赤ん坊が外に出れず外を目指した結果を 「びゃ・・・ゆば・・・・」 どうやら赤ゆを吐き出したまりさはオレンジジュースを大量に与えていたおかげでかろうじて生きているようだ 正確には中身をぐしゃぐしゃにされ口内を突き破られた・・・だが 「しね!しね!おかーさんをころそうとするあかちゃんはしね!」 冷静だったまりさは狂ったように死ね死ねコールを連呼し飛び跳ねている 強化改造してるため普通のゆっくりの数倍のジャンプ力で飛ぶ姿は生首の幽霊が如くきしょい 良識ゆっくりと思ったらどうやらゲスが強いまりさだったらしい 「ゆっくりしてないでしねしねしねしねし・・・ゆぎゃぁ!!!!!!」 しかし中の赤ちゃん強化されている この程度じゃ死ぬわけが無かったのだ 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!!!!!!!」 歯を食いしばり中で暴れる子供を殺すためジャンプし床に自分を叩きつけさらに壁に突進し子供を殺そうとする だがそれらは無駄に終わる 「ゆぎゃぁぁぁぁあああああああぁぁぁあああああ!!!!!!・・・・・ゆべっ」 またもや黒い物体を吐き出すまりさ 言うまでもなく中の子供である しかし様子がおかしい 「・・・・・・・・・・・・・・・」 ゆっっきゅりしちぇいってね! 赤ゆ特有の赤ちゃん言葉のゆっくり挨拶がない 「あがじゃん・・・・どぼじであいざずでぎばいの・・・・」 さっきまで殺そうとしてたゆっくりの発言と思えないがゆっくりしたい本能の脳内式は 『苦しい!』→『赤ちゃん生まれる』→『開放感&これでゆっくりできるよ!』 と簡単に上書きを完了させた 親だけが 「ゆっきゅり・・・しべぇ!!!!」 「ゆゆ!?」 生まれてきた赤ちゃんの最初の言葉 それは親に対する殺意 生まれてきた赤ちゃんとの最初のすりすり それは目への的確で強力な噛み付きであった 「ゆぎぎぃああああああ!!!!やべでぇ!?あがじゃんやべでぇえええええ!!!!」 出産の疲労と開放感と中身へのダメージで動けない親の眼球を 「ゆべぇ!」 あっけなく噛み砕いた子供 「どぼじでごんなごどするのー!?」 「ごみくずはだまってしんでね!」 「やべでぇ!やべでぇ!やべでぇ!やべでぇ!やべでぇぇぇぇぇええええええ!」 攻撃は続いたが強化されている母親は吹き飛ぶばかりで死ぬことはなかった それから数分後- 「はいそこまでー」 職員が赤ゆ二匹と瀕死の親をケースにいれ競りを開始した 後から生まれた赤ゆは体内で殺されかけたせいか二言目にはしっかり話ができるほど成長してたこともあり高く売れ のちに飼いゆっくり競技としてできる[闘ゆ]の伝説の初代王者となるのはまた別の話 ちなみに1匹目の赤ゆは2匹目が親を殺そうとしてる間ずっと自分の親を看病しており 親もこのことが嬉しかったせいで自分の子供のせいで瀕死になったことを忘れ同じ虐待おねーさんに買われ この虐待おねーさんのパートナーとして他のゆっくりへの虐待を手伝う日々の中子供は[闘ゆ]に出場し 初代王者との激戦を制し2代目王者となる生涯を送るのは別の話 ゲス親まりは虐待され続けられ畑の肥料にされたとのこと 数分後(れいむ編)- 「ゆぎゃあぁああ(省略)」 〜この文は前2つとあまりに同じため削除しましたテヘッ☆〜 「もっと力めばいいんだよ」 「ゆっ!?ゆっくりりかいしたよ!」 「はやくあかちゃんでてきてね!!」 れいむは職員の言葉に素直に従った 産道であるまむまむは強力粉で再生されたため破れることすらなくいつまでも続く出産の苦痛から逃れるためである 「「ゆゆぅ〜!!」」 力いっぱい力む2匹のれいむに異変が起こるのはそれからすぐだった 「ゆあああああああ!?あにゃるがいだあああああああ!!!!!!!」 「ゆっゆっゆっ!?」 2匹してあにゃるの苦痛を訴える よくみるとあにゃるが切れて広がってるようだ 切痔? 「うんうんでないでね!あかちゃんがゆっくりでてこれないよ!!!ゆあがああああああ!!!!!!!」 お腹の中の子を気遣いながら苦痛にゆがむれいむの顔 「ぼう・・・だべだびょれいびゅ・・・・・・」 「ゆゆ!?れいむしっかりしてね!あんこはいちゃだめだよ!」 「ゆべぇ・・・・・・・・・・・・・・・」 「でいぶぅ!!!!!!!!!」 自分自身の苦痛をよそに伴侶を気遣うところは見習いたいものだ しかし中枢餡を吐き自殺した伴侶へのことなどすぐ忘れてしまう それほどの激痛がれいむを襲った 「!?!?!!!?!?!???!??!!!!?!?!」 れいむが歯を食いしばり目を見開き苦痛が頂点であることを悟らせる おそらくはあにゃるからうんうんがでないようにしてるのだろう 「(うんうんしたらあかちゃんがよごれちゃうよれいむはがまんするよ)」 人間が便意をがまんするようなものだろうか 歯を食いしばり血走った目を見開き・・・さっきも書いたねこれ そんな状態で力んでいる そう力んでいるのだ ブビッブビビビビビビビッッ!! 力んだせいで勢いよく餡子があにゃるから飛び出る 「どぼじでぇ!?」 あにゃるが切れてる状態で力むなんてマヨネーズをだすのにロードローラーを使うようなものだ 「ゆぅ・・・これじゃあかちゃんゆっくりできないよ・・・」 あたりに散乱する自分からでたうんうんに愕然とする 大量に中身をぶちまけたためれいむの大きさは3分の2ほどに萎んでいた 武装錬金の世界にゆっくりがいたらきっとホムンクルス指定されたゆっくりを斗貴子があのセリフでぶちまけてくれるだろう と、脱線したところで話を元に戻そう 「あかちゃんはやくゆっくりでてきてね」 舌を伸ばしまむまむがあった場所を舐めるれいむは気づいてないのだろうか 陣痛が消えていることに 「ゆゆ?」 もぞもぞとうんうんの中で動く何かをみつけるれいむは警戒態勢に入る そしてうんうんの中から・・・ 「ゆっきゅちしちぇいってね!」 うんうんとと一緒に外にだされた赤ゆがでてきた 「ゆっ!みゃみゃおにゃきゃちゅいたよ!ごひゃんちょうだいね!」 第一声の次は親に対してご飯クレクレ・・・間違いなくこのれいむの子だ しかし自分の子供に対し母れいむはゆっくり挨拶をしようとしない むしろその目はゲスを見る目であった 「ゆ?みゃみゃ〜ごひゃん〜」 すーりすりしようと近づく赤ゆ しかし生まれてはじめての親への甘えは叶うことなく困惑にかわる 「おまえなんかれいむのこどもじゃないよ!」 「ゆゆ!?」 赤れいむは困惑した ママの子供じゃない? そんなわけない お腹の中で聞いた声を覚えている 生まれてきてはじめてあいさつしたこのゆっくりが自分の母親じゃないはずがない! 赤れいむはたまらず叫ぶ 「れいみゅはみゃみゃのあかちゃんだよ!どおちてそんにゃこというにょ!」 「おまえはうんうんだよ!うんうんのくせにれいむのかわいいあかちゃんをなのらないでね!」 「れいみゅはうんうんじゃないよ!みゃみゃのこだよ!ゆっきゅちりきゃいちてね!」 「うるさいようんうんくさいにせものはさっさとしね!」 自分の子をうんうんと罵る親 あにゃるからでてくる=うんうん 実に単純でわかりやすい認識である 「おまえみたいなしゃべるくさいうんうんはゆっくりしね!」 「ゆべぇ!」 赤れいむは一撃で絶命した 強化されてる赤ゆを一撃で絶命させたのは単にお腹の赤ちゃんをゆっくり産みたい母性であろう 「これであかちゃんもゆっくりできるびょ・・・・ゆっぎゅりでぎゅゆっぎゃゆあべぁ」 母れいむが徐々に呂律が回らなくなる原因 これも単純である 赤ゆに突進した衝撃で切れたあにゃるから大量の餡子と共に中枢餡がとびでたためである つまり死亡確定! 「ぼっびょ・・・ゆっぎ・・・・ゅりじじゃぎゃっだ・・・」 こんな状態でもお決まりのセリフを言えるのは大したものである 「はいそこまでー」 「もっと早くとめようぜ」 「ちょっとどうなるか気になってつい・・・」 数分後- 結局れいむで生き残ったのは最初に死んだ母れいむの中の子だけ この子れいむは買っていった青年は愛でお兄さんだったため 躾を施され愛でお兄さんの飼う20匹超のゆっくりの子供の世話係として飼いゆっくりとしてはまともな生涯を送る 愛でお兄さんがこの虐待劇場にいた理由は 『愛でるにはゆっくりがどうしたら苦しむか知らないといけない』 というのが理由である その後- 「いやぁ、これでしばらくは資金面は困りませんね」 「たしかに困らないが」 「また見たい・・・ですよね?」 「その通りだ」 こうして3ヶ月に1度このショーは趣向を変え公開されることになる ゆっくりブリーダー達の中では研究所で強化改造されたゆっくりが飼えると毎回予約が殺到するようになるが それはまた別のお話 オマケ- 「「すっきりー」」 今この夫婦(まりさxありす)は子作りを終えたところである 「ありすのまむまむさいこうだったぜ」 「まりさのてくにっくもすごくとかいはだったわ・・・ゆっ!まりさこどもができてきそうだわ!」 「ゆゆ!でかしたんだぜありす!」 そういうとニョキと頭から茎が・・・生えてこなかった 「湯がやあああああああああああああ!!!!!!あたまがいだいああああああああ!!!!!!!!」 「ありす!?しっかりするんだぜ!」 突然叫びだすありすを心配しすりよるまりさ 「あだまがいだいわ”・・・まりさ・・・」 「なんなんだぜ?ゆっくりしっかりするんだぜ」 「もっとまりさとゆっぐりしだがった・・・・・・・・ゆ”っ!!??」 「ありすー!!!!!!!」 絶命したありすの後頭部から棒が突き出ている おそらく中枢餡を茎がが直撃し皮を突き破ったのだろう 「ありす!ありす!ありすぅぅぅぅううううううう!!!!!」 まりさは一晩中泣き続けた 「うーん、植物型は無理かー」 「強化したゆっくりでも持たないとはな」 「あらかじめ茎の通り道を作っておくとか?」 「背中に違和感あると夫役のほうが違和感もってすりすりしなくなるから素材を作るところからだな」 「んじゃそっちは俺が工面するよ」 今日も実験は続く Q.なんでわざわざ手術の説得したん? A.実験職員は1つの実験だけじゃなくいろいろな実験をするためです よってこの会話の記録も実験の1つ Q.赤ゆっくりはなんで同時に出産にはいったん? A.成長促進剤で調整されてます Q.白餡? A.白餡にしたら性格がよくなるってあったので ってことは自然発生したゆっくりには白餡は存在しない? Q.1組2匹の意味なくね? A.同じ種類にした罰です 文章力の低い作者を虐待して許してください Q.ありすの中身が餡子? A.よくある設定ではカスタードやクリームですがこの世界では一律餡子です Q.闘ゆ? A.闘犬のゆっくり版 ブーメラン殺法中のゆっくりはキモいと思う(見た目的な意味で 前の作品 「ゲスG誕生!」 「猟奇的に伺が。」 作:メトロイドマホロイド
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泉 こなた(いずみ こなた) 『らき☆すた』の主人公。 声優は「広橋 涼」(らき☆すた初代声優) アニメ以降は「平野 綾」 ・性別♀ ・誕生日、5月28日(双子座) ・誕生石、エメラルド ・誕生花、ペパーミント ・年齢、16-19歳 ・血液型、A型 ・出身地、埼玉県 ・身長、142cm ・利き手、両手利き ・好き、チョココロネ.萌え ・嫌い、もずく.スポーツ中継 ・趣味、ゲーム(特にギャルゲー、RPG) アニメ.読書(漫画) ・好きな色、赤.黒 ・免許.資格、普通自動車免許 ・得意科目、体育(好きというわけではない) ・苦手科目、理系全般 「容姿」 膝まで届くほどの超ロングヘアで大きなアホ毛がある。 右目の下に泣きボクロ。 ・髪の色、薄青紫 ・瞳の色、ミントグリーン ・動物に例えるときつね(イタズラ好きだから) ・ハンドルネーム「konakona」 ・所属、私立陵桜学園(1年?組→2年E組→3年B組)→大学 「キャラパラメーター」 学力「☆2.5」 運動「☆5」 オタク「☆5」 家事「☆3.5」 胸「☆1」(極小) ・その他、コスプレ喫茶で週数回バイト中。 小柄で貧乳、青い長髪とアホ毛を誇るロリな外見と、オタクでオヤジな性格とのギャップ萌えのキャラである 元々父子家庭なので料理 、家事も結構得意だが、お昼はチョココロネ三昧である。 「家族構成」 父親「そうじろう」 母親「かなた」(故人) 長女「こなた」☆ ・初登場、episode1『活動開始』 1本目『つっぱしる女』1コマ目。 ・住所「埼玉県幸手市北3丁目14番18号」 初期の物語からメインキャラ4人で構成されていたが、ほぼ彼女を中心に回っていた。 現在でももっとも出番が多いキャラである。 独特の魅力があり、インターネットの内外を問わず、小学生からおじさん、おばさんと幅広い層に人気がある。 2年までは父、泉そうじろうとの二人暮らしであったが、現在は従妹の「小早川ゆたか」 大学入学の際に留学生の「パトリシア・マーティン」との四人暮らし(そうじろう勝ち組) ギャルゲー(18禁も含む)を少なくとも16歳の頃からやっているようだ。 絵はお世辞にも上手いとは言えないが、コンプティークやニュータイプなどに投稿し、徐々に上達してきてはいる。 2年の1学期に夏のコンプ祭に向けてコスプレ喫茶でバイトを始め、現在でも長きにわたり働いてる。 また涼宮ハルヒと声がよく似ているコスプレ喫茶店員としてよく知られる。 両利きで格闘技(合気道系)経験者の上、アミノ式の運動は全てできるなど運動神経は抜群なのだが本人曰わく、だるいのでやりたがらない。 ゲームに関しては凄まじいほどの記憶力を誇るがるが、人の顔はなかなか覚えられない。 体型に関しては気にしてはいたが、SHUFFLE!で「貧乳はステータスだ! 希少価値だ!」という台詞を聞いて自信を持ち、現在はこれ以上の成長については諦めている。 アニメイトにおいてはアニメイトとゲーマーズの両方で必ず同じものを買っていく「伝説の少女A」として、コミケでは彼女が買ったサークルは必ず大手に成長するという「伝説の少女A」として注視されている(アニメでの設定) らき☆すたのキャラクターは初期設定では14歳だったが、コンプティークの読者層が高校生以上が中心のため、高校生に変更された。 また、こなたにもちびっ子という設定はなく、担当編集者の提案により付加された物である。 原作初期のこなたは現在のこなたとは若干キャラが違い「クールこなた」と呼ばれている。 顔文字は『(=ω=.) (≡ω≡.)で表される。 右下のほくろがポイント! 交友関係 ・柊 つかさ 互いの呼び名は「つかさ⇔こなちゃん」 仲良し4人組の一人。 高校3年間同じクラス。 1年生の時につかさが外国人に絡まれているのを助けたのがきっかけで仲良くなった(ただ道を聞かれていただけだった) つかさの料理には絶対なる信頼を置いている。 ・柊 かがみ 互いの呼び名「かがみ、かがみん⇔こなた」 仲良し4人組の一人。 仲良し組みで高校3年間別クラスだった。 つかさ、みゆき繋がりで仲良くなった模様。 こなたがボケキャラ、かがみがいじりがいのあるツッコミキャラといった、作品を制作する上ではもっとも相性がいい。 ・高良 みゆき 互いの呼び名「みゆきさん⇔泉さん」 仲良し4人組の一人。 高校3年間は同じクラス。 1年生の時につかさが桜藤祭の準備で手伝ってもらっているのをみてついでに手伝ってもらい仲良くなった。 歩く萌え要素としてとても尊敬しているため、さん付けで呼んでいる。 また勉強もよく教えてもらっている。 ・小早川 ゆたか 互いの呼び名「ゆーちゃん⇔お姉ちゃん」 ゆい姉さんの妹(従姉妹) 現在は一緒に暮らしているため、最初は姉の威厳を保つよう努力していたが、そのうち無理はしなくなった。 それでも良いお姉として慕われている。 ・岩崎 みなみ 互いの呼び名「岩崎さん→みなみちゃん⇔泉先輩」 ゆたかの同級生。 ゆたかの親友であり、また胸ぺったんガールズ(貧乳仲間)の一員だと認識している。 ・田村 ひより 互いの呼び名「ひよりん、ひよちゃん、ひよひよ等⇔泉先輩」 ゆたかの同級生。 ゆたかに紹介されたところ、以前から買っていた同人サークルの人と判明。 その後はオタク仲間として親交を深めた。 ・パトリシア・マーティン 互いの呼び名「パティ⇔コナタ」 ゆたかの同級生。 ドラマCDではこなたが2年、ゆたかたちがまだ中学時代の冬コミで出会い、なつかれる。 アニメでは同じコスプレ喫茶に務め、CDも出している。 原作ではこなたが高校卒業後に泉家にホームステイしている。 ・日下部 みさお 互いの呼び名「みさきち⇔ちびっ子」 かがみのクラスメイト。 3年の時に改めて紹介され、しばらくして仲良くなる。 似たもの同士。 同じ大学の同じ学部に進学したことが判明し、以前にも増して仲がよくなる。 ・峰岸 あやの 互いの呼び名「峰岸さん→あーや⇔泉ちゃん」 かがみのクラスメイト。 3年の時に改めて紹介される。 近くの大学に進学したことが判明し、最近は一緒に行動することも増えている。 ・黒井 ななこ 互いの呼び名「黒井センセ⇔泉」 高校での担任。 高校3年間は同じクラスを受け持った。 ネトゲ仲間で友達のような関係。 ゲームの貸し借りもしている。 ・成実ゆい 互いの呼び名「ゆい姉さん⇔こなた」 父方の従姉。 幼い頃から面倒を見てもらったりなどしていたらしく、仲がよい。 ただ、ゆい姉さんのいい加減さにはちょっとあきれている。 旦那のきー兄さん(成実きよたか)のことはよく知らない模様。 ・八坂 こう 格ゲーにおいてこうが一方的にライバル視していたが、こうは卒業式においてこなたが先輩であることをしり、その後こなたが陵桜学園を訪れた際に互いに面識を持つ。 ちなみにこれまで面識があるのは桜藤祭の一部のルートのみだった。 その際は「先輩と呼ばれていた」 ・泉 そうじろう 互いの呼び名「お父さん⇔こなた」 父親。 子供の頃から晴海時代のコミケに連れて行くなどしてこなたを重度のオタクに鍛え上げた。 一緒に格ゲーををやったりエロゲーの話をしたりなど仲がよい。 ・泉 かなた 互いの呼び名「お母さん⇔こなた」 母親。 幼い頃に他界したためよく知らない。 しかしアホ毛を除けばそっくりになるように髪を伸ばしているらしい。 父親曰わく「抱っこした感じが、かなたに似てきたとのこと」
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注意書き これはゆっくり虐待というよりゆっくりとゆっくりの戦いです 当然ながら虐められないゆっくりがいます(虐めるわけじゃないし) ほんの少し過去作 ドスまりさの誕生 番外編1に関係する単語があったりしますが重要度はゼロに近いので読んだことがある人は苦笑いしてください こんかいゆっくり達が非常に頭がいい(人間並みに道具を使って文明を作ってたりする)のでそういうのが嫌いな人も読むときは注意してください 元ネタはフリーゲームの「KBAF」WW2が好きな人はやってみるといいかも では本編行きます これは、遠いところのお話 紫にスキマで異星へ追放されたゆっくりれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、みょん、ちぇん れいむとまりさに別れた戦いは500年も続きついに星中を巻き込んだ一大戦争になっていた… 「よわいゆっくりはつよいゆっくりをゆっくりさせるためにみをぎせいにするべきである」 あるゆっくりまりさの一言から500年にわたるこの戦争は始まった 最初はただの群れ同士の争いに近かった それこそアインシュタインの第四次世界大戦よろしく体当たりと噛みつきだけの戦いだった だが、お互いの勢力が援軍を求め一つの大陸全土を巻き込んだ大戦争になった そして敗れたまりさ軍は木で作ったいかだや自分の帽子などに乗り新天地を目指して旅立っていった これを第一次ゆっくり大戦と言う その数年後、新大陸に渡ったまりさ軍が新大陸を制圧、先住ゆっくりを支配し、ゆっくりしていたれいむたちを奇襲してきた まりさたちは見たこともない巨大な船で海を渡り、見たこともない乗り物に乗って空を飛んでいた れいむたちはこのまま何もできずに全滅するかに思われた だが、ぼうめいしてきたまりさの一団により新兵器の情報が伝えられただちにまりさ軍に対抗するための兵器を量産、なんとか硬直状態にまで持ち込んだ そしてこの星は 「よわきゆっくりはつよきゆっくりにしたがう」 まりさ軍と 「やわきものはつよくなり、つよきものはそれをたすけみんないっしょにゆっくりする」 れいむ軍との戦闘になった 他のありす、ぱちゅりー、みょん、ちぇんなどはそれぞれ思想に共感した方の軍につき、れいむやまりさも自分の種の思想に反発して裏切るものもいる 俗にいう仲間思いのゆっくりまりさなどはその代表でれいむ軍の英雄として表彰されたまりさ種は意外と多い いま、ゆっくりれいむは焦っていた 命令で隊長と友人、自分の三匹で偵察飛行に出た途中で6機の敵機と遭遇、友人は撃墜され、隊長も自分を狙っていた敵を落とした直後に撃墜されてしまった 敵はほとんど追撃らしい追撃をしてこなかったが愛機は右翼をやられ燃料餡子が漏れ出てしまっている このゆっくりれいむがのる「ゆしきかんじょうせんとうき にじゅういちがた」はれいむ軍の誇る最新鋭戦闘機だ この飛行機、見ただけでは人間には気づかないがゆっくりの一種である ゆっくりの皮でできた外郭を持ち、餡子を燃料としたゆっくりエンジンでプロペラを回して飛ぶ ゆっくりの一種というよりゆっくりの生体パーツを使った生体兵器とでもいうべきか 「このままじゃおちちゃうよ!もうやだ!!ぼかんかえる!!」 れいむは舌で操縦桿のスロットルレバーを押し込み、全速力で母艦に向かっていた 「ゆっ!!みえたよ!!これでゆっくりできるよ!!」 味方の艦隊が見えた、その中央に帰るべき母艦がある 正規空母「ぐれいとれいむ」れいむ軍の主力であり、象徴でもあるゆっくり空母だ だがぐれいとれいむもまわりの味方の船も対空砲で弾幕を張っている、対空戦闘中なのだ だがそんな事をれいむは知らない、少しでも早く母艦に帰ってゆっくりしたい、早くしないと餡子切れで海に落ちてしまう…れいむはそれしか頭にない 実際は右翼のタンクしか被弾していないので節約すれば二時間程飛べる、海に落ちてもタンクが空なら一時間は浮いていられるので味方の救助を待てる だがこの若いれいむはとにかくゆっくりしたいことしか頭になかった ぐれーとれいむの後ろにつき、着艦準備する 甲板上で何匹かのゆっくりが「着艦不可、やり直せ」の赤い旗をくちにくわえて振っているが知ったこっちゃない、こっちは被弾して燃料がないんだ、ゆっくりさせろ!! その瞬間ぐれーとれいむが急に方向を変えた 「なんで向きかえちゃうのぉ!?」 急速回頭中の船には着艦できない、やり直すしかない しかしもう一度やり直すという現実がれいむをさらに焦らせた 「むきゅう!おもかじいっぱいよ!!」 「ゆっくり!!おもかじいっぱいゆっくりー!!」 ぐれーとれいむの艦長である老ぱちゅりーは今回20発目の爆弾を回避しながらも内心は不安だった ここ最近味方が完璧なタイミングで敵の攻撃を受けるのだ たとえば空母の発艦、着艦時 艦隊が乱れた陣形を組みなおすために一時停船している時など完璧なタイミングで攻撃され、大きな被害を出している 味方の情報が敵に筒抜けなのだ 常に敵の潜水ゆっくりに見張られているのかもしれない 新型偵察機を有する敵基地が近くに隠されているのかもしれない 今回も敵基地を攻撃して第二次攻撃隊を発進させようとしたら敵の奇襲だ こんな状態で被弾したら甲板上の第二次攻撃隊の爆弾ゆっくりや魚雷ゆっくりに誘爆してしまう 直掩機も護衛艦も対空砲も頑張っている 戻ってきた第一次攻撃隊も戦闘機隊は少ない弾餡子、燃料餡子で頑張っている じつは毎年出てくる裏切り者、まりさ軍の裏切り者の中にスパイがいるのだがれいむ軍のなかにそれに気づくものはいなかった 「ぐれーとれいむ、ほんかんのそんがいは?」 「ゆっくり!しきんだんにはつですこししんすいがあるけどだいじょうぶだよ!!」 「ごめんなさい!かえったらしっかりしゅうりしてもらうわ!!」 「みぎほうこうさんじゅうど!ぎょらいがゆっくりしないでせっきん!!」 見張りゆっくりが叫んだ 「むきゅん!!おもかじいっぱい!!」 ゆっくり飛行機は意思を持たず、口と舌、足部分の圧力で動く生体部品の集まりだが艦船は巨大ゆっくりだ、艦橋内部に顔があり艦長の指示に従う エンジンゆっくり、発電ゆっくりなどと一体となっているため複数のゆっくりの集合体といってもいい それぞれが意思を持ちながらも艦本体のゆっくりの指示に忠実に従う、パソコンに接続されたプリンターのようなやつらだ いま機関室では機関科ゆっくり達がエンジンゆっくりの口の中にエンジンゆっくり用の餌をせっせと放り込んでいる 全力運転中のエンジンゆっくりは燃費が非常に悪い、疲れる仕事だが文句を言うゆっくりはいない、ここで自分が手を抜けばみんなゆっくりできなくなることを知っているのだ それゆえにゆっくり機関科は優秀なゆっくりしかなれない 「どお゛じでに゛げる゛の゛ぉ!!」 れいむは着艦失敗→後ろに移動→着艦失敗のループを繰り返していた 「あぶないよ!!ゆっくりしないでぼかんからはなれてね!!」 本日三機目の敵を撃墜したベテランのれいむが無線で呼びかける 「あぶないよ!!どおしてこっちにくるの!!はやくはなれてね!!」 甲板上のゆっくり達がみんなで赤い旗を振る だがそのどれもがれいむの耳には入らなかった 「てっきちょくじょう!きゅうこうか!!」 「むきゅん!とりかじゆっくり!!」 「ゆっへっへ、もうにがさないんだぜ!」 SBDゆっくどれすのパイロットである俺まりさは命中を確信していた いままでどんな訓練でも百発百中だった、実践は初めてだが今回も命中させる このために味方に先に突入させ弾幕の薄いところを狙ったのだ 「ゆゆっ!てきがうごくんだぜ!?」 まりさは一つの誤算をしていた 訓練標的は大きなネット、当然動かない。だが敵は30ゆっくりノット超と言うスピードで左右に動いているのだ まずい まりさは思った、このままでは当たらない 選択肢はこのまま爆弾を投下するか、投下しないで上昇してまた爆撃をするかだが訓練のつもりで降下しすぎた、今から上昇しても海面に突っ込むかもしれない 迷わずまりさは爆弾投下のスイッチを押した 「ゆっくりしね!!」 ゆっくどれすから投下されたゆっくり爆弾は自分の最初で最後の仕事をするために空を舞った、だが目の前に広がるのは青い海のみ、敵の船はどこにも見えない 「どおじでだれもいないのお!!」 ゆっくり爆弾とはその名の通り爆弾のゆっくりである 頭部に安全ピンがありそのピンが抜かれた状態で頭部に衝撃を受けると体内に詰まった発火餡子が爆発するのだ ゆっくり爆弾やゆっくり魚雷は自分が爆発することで仲間がゆっくりできるサポートすることを至上の喜びとする 逆に敵に命中できないのは何よりも悲しいことなのだ 毎日自分を磨いてくれた整備まりさ 「ぜったいどまんなかにぶつけてやるぜ」といった搭乗員まりさ 訓練でネットのど真ん中に突っ込むたびに褒めてくれた偉い幹部まりさたち 彼らのために死ぬ、その喜びがいま絶望に変わろうとしているのだ なんとか足に当たる安定板を動かして軌道修正をしようとする、だがそんなことではほんの数度しか落下コースは変わらない 「ごべんね゛びん゛な゛ぁ!ゆっく゛り゛はや゛く゛だたずだっだよ!!」 最期にそう叫んで海面に激突する、その衝撃で一気に弾け飛んだ 爆弾を落としたまりさ機は中途半端に高度を上げたため護衛の巡洋艦の対空砲火で撃ち落とされた せめて爆弾を投下しないで機体を引き起こせば…しばらく低空飛行を続ければ撃墜されないですんだかもしれない まだれいむの悪夢は終わらない、自分はただ母艦でゆっくりしたいのに、もう燃料餡子はないのに、なんでゆっくりできないんだ 低高度でふらふらとんでいる自分を狙っていた敵機を味方が撃墜した、だがそれに気づかないれいむは自分のすぐそばで海面に突っ込む敵機を見てさらにパニックになる 「も゛う゛い゛や゛だぁ!ゆ゛っく゛り゛さ゛せ゛て゛ぇ!!」 その時上空から三機の敵機が急降下してきた これはかわしきれるかどうかわからない、見張り員が悲鳴を上げた だがぱちゅりーはあきらめない まりさ軍から体が弱いと追い出された自分を拾ってくれたれいむ軍 元まりさ軍である自分の能力を認め、ぐれーとれいむの艦長にしてくれた指令ゆっくり そんな自分を信じて今まで一緒に戦ってきた1000匹以上のゆっくり達 彼女たちは今もゆっくりがんを空に向けている そして自分の命令をいつも聞いてくれたぐれーとれいむ 彼女たちのために、諦めるわけにはいかなかった 「むきゅ~ん!おもかじいっぱーい!!」 この日、れいむ軍の主力であり、象徴でもあった空母ぐれーとれいむは沈没した 原因は何度も着艦しようとしたれいむが着艦に失敗、そのまま甲板上の味方機に突っ込んでしまい大爆発を起こしてしまったのだ 艦長である老ぱちゅりーは最期まで環境のゆっくりの顔とゆっくりしていたという あとがき+少し補足 ゆっくり魚雷は足がスクリューになったゆっくり爆弾です、力尽きるか敵に命中すると爆発します 艦橋内のゆっくりの顔はマザー2のダンジョン男の顔のようなものを想像してください この星のゆっくりは過去に幻想郷で大量発生したゆっくりの一部を紫が間引きしようとしたときに えーりんが実験に使いたいと言ったため太陽系外のゆっくり以上の動物のいない地球型惑星に移した者の子孫です この星では軽く千年近く時間が経過してますが姫様の能力で時間を早くしているだけなので幻想郷では一年ぐらいしか経っていません 数万年、もしくは数億年分の時間をかけて進化の行く末を見る実験なのでえーりんは記録は取りますが干渉はしません ゆっくりに戦艦や飛行機の技術を教えたのは紫のきまぐれです 他に質問等があればスレとかで見たら答えます 続きは…未定です、虐めスレとは少し路線が異なると思うので「もう書くなバカ」とか言われたら続きは書きません でもそういうのがなければ気分しだいで続きを書くと思います 8月19日 1812 セイン このSSに感想を付ける
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「奇形ゆっくり」 雪もだいぶ解けた頃。 草原には、越冬したゆっくりの姿が現れ始める時期だ。 森の中を歩き続ける僕。 僕は、ある条件を満たすゆっくりを探している。 探しているのは、単体のゆっくりではなく、子供を連れたゆっくり一家でもなく、発情したゆっくりありす でもなく、ゆっくりれみりゃなどの捕食種でもない。 僕が探しているのは、お互いを愛し合ったカップルのゆっくりだ。 それも、既に交尾を済ませて妊娠初期の…そう、そのタイミングが一番“いい”。 越冬後の初春になると、冬を生きて越すことができた安心感のためか、それとも家族計画を考えているのか、 多くのゆっくりが交尾を行う。 草原には結構な数のゆっくりが顔を出し始めているから、そろそろだと思うのだが… 「ゆっ!?おにーさん、ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 すれ違うゆっくりには適当に返事を返しておいて、巣のありそうなところを手当たり次第に探していると… 「ゆぅ!!ゆっくりそだっていってね!!」 「ゆっくりいいこになってね!!」 狭い入り口から中を覗くと、ゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルがお互い寄り添っていた。 れいむの頭には3本の蔓が生えている。妊娠初期なのだろう、つぼみは固く閉じていてまだ子ゆっくりの 原型すら出来ていなかった。 ふむ…こいつらは、丁度よさそうだな。よし、こいつらにしよう。 そう決めると僕はこいつらを連れて帰るべく、ゆっくりに声をかけた。 「やぁ、ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」 本能に刻まれた言葉を僕に返す2匹のゆっくり。 「お、れいむは妊娠してるのかな?」 「そうだよ!!もうすぐのれいむのあかちゃんがうまれるよ!!」 「まりさのかわいいあかちゃんがうまれるよ!!」 どうやら、ちゃんと望まれて生まれようとしている子供のようだ。 ひとまず安心した。そうでなくてはこれからの計画も、意味がなくなるからだ。 「よし、これから赤ちゃんが生まれる二人のために、すっごくゆっくり出来るところを用意してあげたよ」 「ゆゆっ!?ゆっくりできるところ!?」 「おにーさん!!ゆっくりあんないしてね!!」 これから親になるというのに、この馬鹿っぷりはいかがなものか。 毎度のことだが、こいつらが絶滅しない納得のいく説明がほしい。 「よし!!じゃあお兄さんについてきてね!!」 息が上がらない程度のペースで、家へと続く道を走る僕。 家まではそれほど遠くない。ジョギングのペースで走って10分ほどだ。 だから僕にとっては軽い運動でしかないのだが…どうやら、2匹のゆっくりにとっては違うようだ。 「おにーさん!!もっとゆっくりしていってね!!」 「おいてかないで!!もっとゆっくりあんないしてね!!」 普通のゆっくりなら決してついてこれないペースではないのだが、妊娠しているれいむは頭に生えた蔓が折 れないように注意しながら跳ねなければならない。 「れいむ!!ゆっくりいそいでね!!」 ペースの遅いれいむに付き添うまりさも、同様である。 「そんなにゆっくりしてると、ゆっくり出来るところがなくなっちゃうぞー!!」 「ゆゆーっ!!??いやだよ!!ゆっくりしたいよ!!」 「ゆっくりいくからまっててね!!れいむ!!もっとゆっくりはやくしてね!!」 どんなに急かしても、こいつらは一定のペース以上速くはならない。 これは…何か別の方法を考える必要があるな。 ちょっとばかり考えて、思いついたのは… 「おーい、まりさ!」 「ゆっ!?」 「まりさがれいむを後ろから押して手伝ってあげれば、早くゆっくりできるぞー!」 「ゆゆ!!おにーさん、あたまいいね!!まりさゆっくりてつだうよ!!」 さっきから2匹の様子を見てわかったのだが、れいむは蔓が折れないように注意してペースを落としている のに対し、まりさは単純にれいむに付き添っているだけ。蔓に注意を払っているわけではない。 つまり、まりさはれいむがゆっくりしている理由がわからないのだ。 ゆっくり出来るところがなくなる、という僕の言葉に焦りを感じるとともに、ペースを上げようとしない れいむに苛立ちを感じはじめるまりさ。 だから…後ろから押して手伝ってやれ、という指示にも簡単に従う。 「れいむ!!もっとゆっくりいそいでね!!」 「ゆぎゅううう!!まりさあああああああああやめてよねええええええ゛え゛え゛え゛!!!!!」 ぐいぐいと後ろから押していくまりさ。それでもペースを上げるわけにはいかず、必死に抵抗するれいむ。 だが、身重の体ではまりさを押し返すことは出来ない。 そのまままりさの力に押し負けて、ペースを上げることになってしまった。 「やだあああああああああ!!あがぢゃんできなぐなっぢゃううううううう!!!!」 「れいむ!!はやくゆっくりできるところでゆっくりしようね!!」 まりさはれいむの悲鳴を聞いてないのだろうか? これから生まれる赤ん坊すら気遣わないあたり、やっぱり頭の中が餡子なんだなぁ。 しばらくして、もう少しで家に着くというところに差し掛かると… 「まりざやめでよおおおおおお!!!…ゆぎゅ!?」 まりさに押されてハイペースで跳ねていたれいむが石につまづき、顔面から倒れ伏してしまった。 あ、これはヤバい、と思った。その角度と、そのスピードが。 ボキッ!! 3本の蔓のうち、一番細かった1本が折れてしまったのだ。 「ゆぎゃああああああああ!!!れいむのおおおおおお!!あがぢゃんがああああああああ!!!」 ゆっくりらしからぬ速さで起き上がって、折れた蔓のもとへ駆け寄るれいむ。 その後を、まりさがゆっくり追いかけた。 れいむは、滝のように涙を流しながら萎えた蔓を見下ろしている。 その後ろのまりさは、ばつの悪そうな顔をしていた。 最初は悲しみの震え…そして、その震えは怒りに変わった。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ!!!!まりざのせいだよ!!まりざがうしろからおしたからだよ!!」 「ゆぎゅ!?まりさはわるくないよ!!れいむがゆっくりしすぎたのがだめなんだよ!!」 へぇ、ゆっくりも夫婦喧嘩するんだぁ。 「あかちゃんがああああああ!!!れいむのあがぢゃんがあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「ゆっ…れ、れいむのせいだよ!れいむがころんだから――― 「はい、そこまで!」 このまま見ていても面白そうだったのだが、殺し合いに発展する気配を感じたので仲裁に入る。 「今のはどっちも悪くないよ。たまたま、その蔓が細すぎたんだ。たぶん折れなかったとしても赤ちゃんは できなかったよ」 「ゆっ!?そうなの!?」 「そうだよ。だから、残りの2本を大事にすれば良いのさ」 「ゆゆ!!わかったよ!!れいむのあかちゃんだいじにするね!!」 「まりさのあかちゃんゆっくりさせてあげるね!!」 あー、⑨でよかった。 2匹の仲直りは済んだので、すぐそこの自分の家に案内する。 玄関から入っていく2匹は、終始寄り添ったまま離れようとしなかった。 2匹を専用の部屋に案内し、準備を済ませると僕も2匹と同じ部屋に向かった。 僕が抱えているのは、最近幻想入りしたという毒入りギョーザと、2リットルペットボトルに入った廃油だ。 「おーい、ゆっくりしてるかい?」 「ゆっくりしてるよ!!おにーさんもゆっくりしていってね!!」 先に与えておいたお菓子を食べつくして、2匹は文字通りゆっくりしていた。 れいむが妊娠している以上、昔のように跳び回って遊ぶことは出来ない。 2匹にとっても、今までのように跳びはねるより、寄り添いあってゆっくりしてる方が満足できるのだろう。 ギョーザとペットボトルが視界に入るやいなや、跳ね寄ってくる2匹。 「ゆゆ!?それはなに!?」 「ゆっくりできるもの?ゆっくりできるならまりさにちょうだいね!!」 おお、食いついてきた。そうでなくちゃ困る。 「これはね、栄養価の高い食べ物だよ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるれいむに食べてもらおうと思ってね。 これを食べれば、元気でいい子な赤ちゃんがたくさん生まれるよ!」 餡子脳にも理解できるように、説明は怠らない。 すると、期待通りれいむが食いついてきた。もう期待通り過ぎて怖いぐらいだ。 「ゆゆ!!れいむたべるよ!!さっさとそれをゆっくりちょうだいね!!」 「わかったわかった。まりさも食べるか?」 「まりさはいらないよ!!ゆっくりれいむにあげてね!!」 さっきのことを少しは反省しているのだろうか、それとも夫(?)としての自覚が芽生えてきたのか。 僕としてはれいむが食べてくれさえすればかまわないので、ギョーザを適当に床に置いて、大きい器に廃油 を移し替えた。 「むーしゃむーしゃ、しあわ…せ…?」 一口食べて、早速異変に気づいたらしいれいむ。 「おにーさん!!これすっごくまずいよ!!こんなのたべられないよ!! こんなものをたべさせるおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 「わがまま言うなよ。元気な赤ちゃんが生まれなくてもいいのかい?」 「ゆぎゅ……がまんしてたべるよ…!」 赤ちゃんのため、って言っておけば大抵のことは我慢できそうだな、このれいむ。 眉間にしわを寄せて、いかにも不味そうな顔をしながら、ギョーザをちびちびとかじっている。 ダイオキシンとか、タリウムとか、メタミドホスとか、かなりヤバイ代物らしいんだが、体調には変化はな さそうだ。 実は、毒に対してはかなり耐性があるのだろうか? 「れいむ!!ゆっくりがんばってね!!あかちゃんのためにがんばってね!!」 毒入りギョーザを栄養食か何かと勘違いしている2匹。 まりさは、不味そうにギョーザを食べているれいむを応援している。 そのあと、いろいろヤバそうなものが浮いてる廃油にもれいむは口をつけた。 「ゆぎゅ、まずい……でもあかちゃんのためにがんばってのむよ!」 「ゆゆゆ!まりさもてつだってあげるね!!」 何を思ったのか、自らも廃油を飲みだすまりさ。 お前が飲んだら意味ねーだろ(笑) 目の前の不味い飲み物がなくなればいいとでも思っているのだろうか? さすが餡子脳。僕の予想の斜め上を常にキープしている。 そんなこんなで、3日間。 蔓には、少しずつ子ゆっくりの原型らしきものが現れ始める。 僕はすでにその異変に気づいていたのだが、2匹のゆっくりは気づかない。 出産自体初めてなのだろう、こういうものなんだ、と納得しているようだ。 そして。 いろいろヤバいものを体内に取り込んでいったれいむだったが、ついに…その時が来た。 出産のときである。 部屋の真ん中に陣取ったれいむ。 それを少し離れた所から、不安そうに見守るまりさ。 2匹の数週間の愛の結晶、そして僕の“3日間の努力”の結果が…今、目の前にその姿を現そうとしている。 小刻みに震えだしたれいむ。その時が近づいているのだろう。 最初は堪えていた声も、だんだん我慢できなくなってきたらしい。 「ゆ……ゆ…ゆゆゆゆ…!!」 プチッ! ぽとっ 一匹目のゆっくりの誕生である。 「ま、まりさのあがちゃんがうまれたよおおおおお!!!」 「れいむのっ、れいむのがわいいあがちゃんんんんんんんんんん!!!!」 遠くから見守ると決めていたまりさも我慢できなかったらしい。 赤ちゃんが生まれた嬉しさのあまり、すぐに生まれたての赤ん坊のもとへと跳ねてきた。 その時点で、2匹は初めて“異変”に気づいた。 「ゆ゛……ゆ゛ぐり゛……ぢででね゛……!!」 「なんなの!!このごおがしいよ!!!おがしいよおおおお!!??」 「ゆぎゃあああああああああああ!!??へんだよっ!!へんながおだよおおおおお!!!!」 このゆっくりには、口と呼べるものがなかった。 正確には、口のなり損ないのような…上唇と下唇がところどころ途切れながら癒着しているのだ。 だから、言葉を発しようとしても『ゆっくりちていってね!!』とはならない。 プチッ! ぽとっ 二匹目の誕生。れいむ種である。 今度こそまともな子供が生まれてほしい…そう願うれいむとまりさ。 しかし、そんな願いは無残にも打ち砕かれた。 「ゆっくりぃちていってにぇ……ありぇ?うごけないよ?!」 二匹目の赤ちゃんは、言葉は比較的しっかりとしていた。 しかし、この赤ちゃんには致命的な欠陥があった。 饅頭らしい弾力性が殆どなく、中身が液体のようにドロドロしているのである。 簡単に言えば…そう、やわらかすぎるのだ。 これでは、自由に弾力性を利用して跳ね回ることは出来ない …この赤ちゃんは、一生自力では動けないだろう。 「ゆっゆっ!!ゆっくりうごいてね!!ゆっくりはねてね!!」 異常に気づいたまりさが赤ん坊を手伝おうとするが、無駄なことだった。 「ゆっ…ゆっ…うぅ、うごけないよおおおおお!!うわああああああんん!!!」 「ゆぅ!!ゆっくりしていってねええええええ!!!」 自力で動けないことに絶望する赤ちゃんゆっくり。 そんな子供を目の前にして、どうしたら良いのか分からず泣き喚くまりさ。 それを遠くから見ているれいむの顔には、疲れの色が見え始めた。 プチッ!! ぽとっ 三匹目。 「ゆっくりちていってね!!…ゆゆっ!?くらいよ!?おかーさんどこおおおお!!??」 駆け寄ったまりさは絶望した。 その赤ちゃんゆっくりには…目がなかったのだ。 「おかーさんはここにいるよ!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?みえないよおおおおお!!まっぎゅらだよおおおおおおおお!! おがーざあああああ゛あ゛ん゛ん゛ん゛!!!!ゆッぐりじゃぜでよおおおおお゛お゛お゛!!!」 大声で泣き叫ぶ赤ちゃんゆっくりを宥めようと、まりさが頬を摺り寄せるが… 「ゆぎゃ?!なに!?なにかぶつきゃったよ!?なんなの!?わがらないよおおおおお!! ごわいよおおおおおおおおお!!だじげでよおおおおおおおおおお!!??」 「こ、こわくないよ!!おかーさんだよ!!ゆっくりなかないでね!!!」 どんなに宥めようとしても、赤ちゃんゆっくりは泣き止まない。 そして、四匹目、五匹目…と順番に生まれていく。 生まれつき音の聞こえないもの。 硬すぎて跳ねることのできないもの。 「ぎょぎょぎょ」と気持ち悪い声を発しながら、芋虫のように這うもの。 目を覚ましても蔓から離れられず、終いには頭が破れてしまうもの。 十匹生まれれば十通りの奇形ゆっくりが生まれた。 赤ちゃんゆっくりにならずに、緑色の実のままの状態で落ちたものの方が幸運だろう。 その幸運すら、この一家にはなかった。 さっきまで、生まれてきた子ゆっくりと思う存分ゆっくりすることを思い描いていた親ゆっくり。 皆で草原をお散歩したり、水辺でゆっくりしたり、巣の中で固まって眠ったり… 畑のものを食べたらゆっくりできないよ、と教えてあげたり… いろんなことをしたかった。いろんなゆっくりをしたかった。 でも、それができない。この一家は、できないのだ。 そして、そんな一家を見てると僕は性的興奮に似た絶頂を覚えるのだ。 「さて、と…」 僕は次の準備に取り掛かる。 奇形赤ちゃんゆっくりに囲まれ、未だ泣き止まない親2匹に声をかける。 「やあ、赤ちゃんはかわいいかい?」 「ゆぐっ…へんだよおおおおおお…がわいぐないよおおおおおお……!!」 そりゃあな、僕だって見てて気持ち悪いもん。 でも、自分の赤ちゃんを“かわいくない”なんて言うなんて、困った親だなあ。 「そうかそうか、かわいくないか。じゃあ捨てちゃおう」 そう言って、目のない赤ちゃんゆっくりをピンセットでつまみあげる。 目の見えないゆっくりにとっては、その浮遊感は恐怖にしか繋がらないらしい。 「なに!?へんだよ゛!?ういでるよおおお!!??ごわいよおおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 「おにーさんなにするの!?あかちゃんをゆっくりはなしてね!!」 まりさが僕に体当たりしてくるが、さすがゆっくり、全然効果がない。 むしろ、その弾力が気持ちいいくらいだ。 「だってかわいくないんだろう?だったら捨てちゃおうよ!」 「やめでよおおおおおお!!!がわいぐなぐでもまりざのあがぢゃんなのおおおお゛お゛お゛!!」 “かわいくない”ってところは否定しないのかよ(笑) 「かわいくないなら捨てちゃうよ!!ポイ!!」 鼻をかんだティッシュを捨てるように、赤ちゃんゆっくりをゴミ箱に放り込んだ。 ゆうううぅぅぅ、と悲鳴を上げながらゴミ箱の底に落ちていく、盲目ゆっくり。 底に溜めてある熱湯に突っ込んだそいつは… 「ゆぎゃあああああああ、あづいよおおおおおおおお!!!!みえないよおおおおおお゛!!!! ゆっぐりできないよおお゛お゛お゛お゛お゛!!!あがーぢゃんだじげでええええええ!!!!」 そんな悲鳴も、十数秒すると熱湯の中へ消えた。 「さーて、次はどいつにしようかな♪」 「もうやめでよおおおおおお!!!あがぢゃんずでないでええええええ!!!」 「えー、だってかわいくないんだろー?」 「おねがいじまずううううううううううう!!! れいむのあがぢゃんだずげでぐださいいいいいいいいいいい!!!」 子ゆっくりを片っ端から捨てるのも楽しいが、そこまで頼まれたらしょうがない。 僕は妥協案を提示することにした。 「…わかった。じゃあこうしよう!」 「ゆっ!?」 期待に目を輝かせる、親ゆっくり。 しかし、その期待はすぐに打ち砕かれる。 「れいむとまりさが赤ちゃんを一匹だけ選んでね!!その子だけは助けてあげるよ!」 「ゆううううぎゃああああああどおじでえええええええ!!??」 「どおじでそんなごといいうのおおおおおおおおおお!!??」 「選ばないと、全員捨てちゃうよ!!ゆっくりしないで選んでね!!」 「ゆぐっ!?」 選ばないと…子供が全員殺される。 それだけは避けようと、2匹は唯一の生き残りとする赤ちゃんを選ぶべく、辺りを見回す。 「おがーちゃん!!まりしゃをえらんでね!!」 「れいむしゅてられたくないよ!!ほかのこをすててね!!」 「ちにだぐないよおおおお!!おがーぢゃあああああん!!」 喋ることのできるものは、その言葉で親の気を引こうとする。 言葉を発せないものは、その目で親に訴えかける。 精神すらまともでないものは、何が起きているかも感知していない。 「早く選ばないと、全員捨てちゃうよ!!」 「ゆゆっ!!やめてね!!すぐえらぶからね!!」 そして、2匹の親ゆっくりが選んだのは…二匹目に生まれた、動けないゆっくり子れいむだった。 「どおじでええええええ!!??」 「なんでそのごなのおおおおお!!??」 「そのごはうごげないごだよ!?うごげるれいむをえらんでね゛!!」 選ばれなかった子ゆっくりは、たまったものではないだろう。 自由に動けるものは必死に母ゆっくりにすがろうとするが… 「ごめんね!!あのよでずっとゆっくりしてね…!!」 れいむは涙ながらに駆け寄った奇形子ゆっくりを跳ね飛ばした。 うまい具合に僕の足元に転がってきたので、そのままピンセットでつまみあげる。 「ゆぎゃあああああ!!!はなじでよおおおおお!!!」 「ごめんねー。でもお母さん達が、君たちの事かわいくないって言うからさー」 「ゆゆぅ!?れいむかわいいよおおおお!!!かわいいからすてないでねええ゛え゛え゛え゛!!」 そんな叫びも、ゴミ箱の中へ吸い込まれていった。 2匹の親ゆっくりは、自分達が選んだ一匹の子れいむを挟み込んで守っている。 悲しみと絶望に震えながら、唯一生き残るであろう子れいむを、しっかりと守っている。 「はーい、じゃあ君達はゴミ箱行きでーす!恨むならお母さんたちを恨んでくださいねー!」 「いぎゃああああああああああああああああ!!!!」 ぽいぽいとゴミ箱に放りながら、全体に聞こえるように呟く。 「あーあ、お母さんが、あんな毒入りギョーザと食べちゃったから」 「ゆっ!?」 「お母さんが、あんな汚いものを飲んだから、赤ちゃん皆かわいくなくなっちゃったよ!」 「なにをいっでるのおおおおおおおおおお!?」 「お母さんのせいで、皆気持ち悪くて汚い赤ちゃんになっちゃったよ!」 「おかしいよ!!ゆっくりせつめいしてね!!」 「ギョーザと飲み物にはね、危ないものが入ってたんだよ!!本当は食べちゃダメだったんだよ!」 そこまで説明して、やっと理解したらしい。 母体であるれいむは…自ら汚染物質を体内に取り込んだ。 それは子ゆっくりにも蓄積されていき、結果として奇形ゆっくりが生まれた。 やっと。やっと理解したのだ。 親ゆっくりも…そして、子ゆっくりも理解した。 自分がこんな酷い目にあっているのは、母親であるれいむのせいであるということに。 僕は心無い言葉を子ゆっくりに浴びせながら、次々とゴミ箱に放り込んでいく。 「おがーぢゃんのせいだあああああああああ!!!!だずげでええええええ!!!」 「はーい、お母さんがあの子を選んだので、皆あの世行きでーす!」 「おがーぢゃんなんがしんじゃえええええええええ!!!」 「その前に死ぬのはお前らでーす!!あの世でゆっくりしていってね!!」 「おがーだんだじげで!!みでないでだずげでよおおおおおおおお!!!!」 「お母さんはあの子を選んだので、君は助けてもらえません!!ゆっくり死んでね!!」 母ゆっくりを罵倒しながら、ゴミ箱の中へと消えていく子ゆっくりたち。 その言葉の暴力に、れいむとまりさは震えながら耐えている。 「ごめんね!!……あのよでゆっくりしてね…!!」 そして、選ばれた子ゆっくりを除くすべての奇形ゆっくりが…ゴミ箱の中でお汁粉に変わった。 一旦ゴミ箱を片付け、再び部屋に戻ってくる。 親子3匹がいるほうを見ると、どうやら最後の生き残りである子れいむが、両親を罵倒しているらしい。 「おがーぢゃんのせいでじぇんじぇんうごけないよ!!ゆっくりあやまってねええええ゛え゛え゛!!」 本当はすぐに飛び掛って噛り付きたいのだろうが、やわらかすぎて動けないので、それもできない。 その上、2匹の親ゆっくりの返答も酷いものだった。 「お、おかーさんは悪くないよ!!おかーさんはわるいものたべてないよ!!」 「そうだよ!!かわいくうまれてこなかったれいむがわるいんだよ!!」 「ゆぎゅううううう!!?どおじでぞんなごどいうのおおおお゛お゛お゛!!??」 生後10分で親子喧嘩か。すごいもんだな、ゆっくりって。 「はーい、そこまで!」 この前と同じように仲裁に入る。 「いいことを教えてあげるよ。二人の親のどっちかが死んで子れいむの食べ物になれば、子れいむは動ける ようになるよ!」 「ゆぎゅ!?ほ、ほんとうなの!!?」 それは親ゆっくり2匹にとって、衝撃であろう。 どちらかが犠牲にならなければ、目の前の子は一生動けないままゆっくりしなければならない。 親2匹は…どちらが犠牲になるか、選ぶことが出来るだろうか? 「どっちが食べ物になるか、ゆっくりしないで決めてね。ゆっくりしてると、手遅れになるよ!」 「ゆぎゅ!?それじゃれいむがあかちゃんのたべものになってね!!まりさはしにたくないよ!!」 急かされたせいか、焦ったまりさが思わず本音を漏らしてしまった。 となれば、二人の“ジョーカーの押し付け合い”はもう止まらない。 「どうして!?まりさがたべものになればいいよ!!れいむはあかちゃんうんだんだよ!?」 「れいむはあかちゃんうむだけで、ぜんぜんたべものとってこなかったよ!! やくたたずのれいむは、ゆっくりたべものになってね!!」 「おがーぢゃん!!げんがはやめでよおおおおおおおおお!!!!」 これが人間だったら恐ろしい会話だが、ゆっくりの場合だと笑えてくるから不思議だ。 さて…そろそろフィニッシュといこうかな。 「そうか、どっちも食べ物にならないなら…赤ちゃんが死ねばいいよね!!」 そう言って拳を振り上げ… 「やめでえええええええええええええええええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「あがぢゃんにげでねええええええええええええ゛え゛え゛え゛!!!」 親2匹の絶叫とともに… グシャッ! 最後の奇形ゆっくりは、ただの潰れた饅頭になった。 「どっちも食べ物になってくれないなら、赤ちゃんは死ぬしかないよね!! だって、動けないままゆっくり生きていけるわけないもんね!!」 2匹は震えている。 「どうしたの?助けたかったの?でも食べ物になるほうを決めなかったよね。 助けたかったのに早く決めなかった二人が悪いんだよ!!」 それを聞いた2匹の、震えが…止まった。 そして… 「がああああああああああああ!!!???れいむのぜいだああああああああ!!!」 「まりざのぜいでじょおおおおおおお!!?まりざがたべものにならないがらああああ!!!」 2匹は、鬼のような形相で責任の押し付け合いを始めた。 「れいむのぜい!!ぜんぶれいぶがわるいの!!!ばかなれいむはゆっくりしね!!」 「ゆぎゅうううううう!!まりざがあがぢゃんだずげながったのがわるいの!!ゆっくりしんでね!!」 「ごろじでやるっ!!おおばがれいむなんがゆっぐりじね!!」 「まぬけなあほまりざは、ゆっぐりあのよであがぢゃんにあやまってね!!」 僕は外に通じるドアを開けておき、2匹を放っておいて自室に戻ることにする。 2匹の騒ぐ音がうるさいので、音楽を大音量で流してくつろぐことにした。 翌日。 2匹がいたはずの部屋を覗いてみると… そこにはゆっくり一匹分の餡子が、部屋を中心として放射状にブチまけられていた。 原形をまったく留めておらず、毛髪や飾りも残っていないので、れいむとまりさのどちらなのかわからない。 僕としては…できれば、れいむのほうに生き残っていてほしい。 あいつがまた子供を作れば、また奇形が生まれるに違いないからだ。 できれば、そうあってほしいな。 だってその方が、ロマンティックだろう? (終) 続く? あとがき 虐待スレ10の 340前後を見て、勢いで書いた! まともに読み返してないので、誤字とかあるかも!! 後悔はしてな・・・・・・いや、半分ぐらい後悔してる! でも、自分が読みたいものが書けたからOK! ゆっくり読んでくれてありがとう!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
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はじめに ゆっくり自爆、自滅モノです。 自分達で自滅した後、人間がトドメを刺してあげます。 ゆっくり自滅してくれ <1日目> バリン!ガッシャン!ガラスが派手に割れる音がする。 どうせ野良ゆっくりの襲撃だろう。最近多くてうんざりだ。 田舎町だし、近くに森があるから、そこら辺で繁殖してるんだろう。 「ゆっへっへ、まりささまにかかればこんなガラスなんてイチコロだぜ!」 あの脆弱な饅頭が石を使うとはいえ、どうやってガラスを割るほどの力を出せたのかは知らない。 ともかく、ゆっくりプレイス宣言だけは聞きに行こう。問題の部屋に入った俺が見たものは…… 「ゆっ……ゆっ……ゆっ……」 自分の底部に割れたガラスが刺さり、破れた皮から餡子を出して悶絶しているゆっくりまりさだった。 意気揚々と部屋に侵入したものの、割れたガラスの上に着地したのだろう。 「ゆぐっ……じ、じじい……だずげろ……」 うん、無理。ガラスが刺さってて食べられないし、捨てよう。 <2日目> バリン!ガッシャン!!ガラスが派手に割れる音がした。 「い゙だい゙よ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!!!!!」 そして、同時に悲鳴が聞こえてきた。 おい野良ゆっくり、今日はどうした。 部屋に入ると、体中ガラスまみれになったゆっくりれいむが悶絶していた。 体当たりでガラスを割って、その勢いで着地したら割れたガラスが見事に刺さったのか。 体のあちこちが切り裂かれている。 「ゆぐっ……お、おじいさん……だずげでね!」 「あのな、撮影で使うガラスとかは飴細工だから怪我しないんだぞ」 俺は悶絶するれいむに優しく諭し、優しく捨てた。 ガラスが刺さったゆっくりが一番処分に困る。ガラスと一緒に捨てられないからね! <3日目> 今日はガラスが割れる音がしない。 そりゃそうだ。換気のために戸を開けておいたから。 「いぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ」 その代わり、入り口にびっしりと敷き詰めておいた画鋲の上で悶絶しているまりさと会うことが出来た。 「ゆっ……じ、じじい……たずげ」 「君は食べられそうだね」 「や゙め゙でえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙」 刺さった画鋲を全て取って、残っていないのを確認。 しかしこいつら、道中外敵に襲われないのかな? 聞いてみたら、れいむと子供達が野良猫やカラスに襲われたらしい。どうりで一匹なわけだ。 しかし焼く! 「あ゙づい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙!!!」 食す! 「い゙だい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙!!!」 美味い!! <4日目> 今日は部屋の中に入ってこない。さすがに疲れたか。戸は開けてあるんだが。 ……もしくは、別の家がターゲットになったのか。 そのまま夜まで待ったが、結局ゆっくりは来なかった。 眠いので寝よう。 おっと、その前に愛しのぱちゅりーとにゃんにゃんするぞー 「む、む、むちゅ、むちゅうううううううううう!!」 ちょっと嫌がってるけど愛情表現だろう。気にしない。 「お゙に゙い゙ざん゙はい゙づも゙ハードずぎる゙の゙お゙お゙お゙お゙お゙」 <5日目> 掃除のために、部屋の戸を開ける。 いつもゆっくりが侵入してくる部屋だ。どうもこの部屋は狙われやすい。 ゆっくりが侵入しやすい、一番目をつけやすい場所にあるんだろう。 戸を開けると、下からうめき声が聞こえてきた。 「「じじい!!たすけろ!!!ぢね!!」」 「ゆっ!!おじいさん、さっさとたすけてね!!」 そうだ、この部屋への入り口(いつもゆっくりがその位置からジャンプして部屋に飛び込んでくる)に 落とし穴を仕掛けたんだった。 3匹のゆっくりが仲良く入ってる。一番下は重さで潰れそうだ。 この寒い中、よく頑張ったね。ご褒美におはぎの材料になってもらうね。 「「「い゙や゙だあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」」」 <6日目> 今日はいるかな?部屋を覗き込むと、ゆっくりがいた。 「ゆぐうぐぐうぐぐぐう」 飼いゆっくりのぱちゅりーに手を出さないように、しっかりと躾けたふらんに食べられてる。 これだけゆっくりの襲撃が多いから、何か対策を…ということで、捕食種のふらんを飼っておいた。 値段は高かったけど、ふらんはよく動いてくれるからね。 「じ……じじ……ぃ」 ジジィとだけ言うと、まりさは息絶えたみたいだ。 「う~……お兄さん……これじゃたりないよ」 「ん、落とし穴は見てみたかい?」 念のため、昨日のゆっくりを処分した後再びセットしておいた落とし穴を確認させる。 「「「ゆ゙っぐり゙ざぜでい゙っ゙でね゙!!」」」 ほぅらごらん、こんなにおいしそうなゆっくりが。 「………………ニヤッ」 仲良くふらんの胃袋に収まってね! <7日目> 「ゆっ!ここはゆっくりできそうだね!!」 「ここをゆっくりプレイスにしようね!!」 おお、今日は無事潜入できたみたいだ。 「ゆっ!!くそじじい、はやくたべものをもってくるんだぜ!!」 「ゆっくりいそいでね!!」 飼っているふらんは気紛れな子で、これだけゆっくりが騒いでるのに出てこない。寝てるのかな。 「それはそうと君達、そこから動けるかい?」 「ゆぅ?なにをいってるのくそじじい、ばかなの?」 「れいむたちがうごけないなんて、じじいはほんとうにばか……」 「「うごけないいいいいいいいい!!!!」」 落とし穴を避け、画鋲をクリアしたゆっくりに与えられる第3の試練『トリモチタイル地獄』。 普通の床にトリモチを敷くと後始末が大変だから、タイルを敷き詰めてその上にトリモチをつける。 見事にはまってくれたようだ。 「お~い、ふらん」 「「ふらんいやああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」 ふらんがトリモチを踏んでは意味が無いので、ゆっくりが乗っている以外のタイルは全て除去。 「………………ニヤッ」 仲良くふらんの胃袋に収まってね! <8日目> ガン!!ガン!!!ガン!!! 今日は戸締りをしっかりしておいた。そろそろ本格的に寒いし。 そんな部屋の戸を叩く音がする。 ガラッ「ゆべっ!!」べしゃっ タイミングを合わせて戸を開けると、体当たりしようとしたまりさが勢いそのままに顔から着地した。 ちなみに戸は体当たりでは壊せないように頑丈なタイプに変えた。 「ようこそまりさ君」 「ゆっ!!にんげんさん!!まりさにたべものをちょうだいね!!」 「何か見返りはあるのかい?」 「ゆっ!それじゃここをまりさのゆっくりプレイスにしてあげるね!!」 「オーケイ」 髪を左半分ほどそぎ落とし、左目を小麦粉で塗り固めて、底部左側も半分焼いて返してあげた。 帽子も奪っておいたので、多分生きていくことは出来ないだろうね。 逃げていくまりさが左側に大きく旋回しているが、気にしない。 <9日目> 夕方になったが、ゆっくりの襲撃はなかった。 さすがに懲りたのかも知れない。せっかく戸を開けて、お菓子も飲み物も用意しておいてあげたのに。 「とうちゃく~!」 そう思ってたら来た。噂をすれば何とやら、だな。しかし到着って何だ。 「ゆっ!たべものものみものもあるよ!」 「さすがばかでむのうなにんげんのおうちだね!!」 「さっそくたべるよ!!むーしゃ、むーしゃ……」 「さっそくのむよ!!ごくごくごく……」 「「ゆっぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ」」 言い忘れてたけど、お菓子は暴君ハバ○ロにハラペーニョソースをたっぷりかけたものだし、 飲み物はタバスコを一瓶そのままお皿に盛ったものだからね。 白目をむいて悶絶している2匹をふらんに与えてみた。 「……お兄さん、クソまずい」 「こら、言葉遣いがお下品だぞ」 <10日目> しかしゆっくりってどうしてこんなに数が多いんだ。そろそろネタ切れだぞ。 と思ったら、今日は本当に襲撃してこなかった。 もしかしたらゆっくりは諦めてくれたのかもしれないね! ~ゆっくりの会話~ 「ゆっ!きょうこそはなかまたちのかたきうちもふくめて、ここをうばうんだぜ!!」 「まりさぁ、もうやめようよ!このいえはゆっくりできないよ!!」 「……ゆぅ……やっぱりやめようか…だぜ…」 「ここよりほかのおうちにいこうよ!ゆっくりできそうなおうちはおおいよ!!」 「そうだぜ!おちびちゃんたちもいるし、ここはゆっくりできないからあきらめるぜ!」 「「「「まりしゃおきゃーしゃん、こんぢょはどきょにいきゅの?」」」」 「ゆっ!ここからちかい、あのおうちにいくんだぜ!」 「「「「ゆっくちできちょう?」」」」 「まりささまのめにくるいはないぜ!さあ、ゆっくりいそいでうばいにいくんだぜ!」 「ゆっ!まりさについていくよ!!」 「「「「まりしゃおきゃーしゃん、まっちぇ~!」」」」 ~会話終了~ ……数刻後。 ガシャン!!バリン!! 「ゆっ!ここならゆっくりできそうだぜ!!」 「ここをゆっくりプレイスにしようね!!」 「ばかでむのうなにんげんなんてまりさにかかればイチコロだね!」 「「「「ゆきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!!」」」」 「さ~て、さんざんわらったところで、こうれいのアレ、いくんだぜ!」 「ゆっ!!おちびちゃんたち、せーの」 「「「「ゆっくちしちぇいっちぇね!!!」」」」 声高らかにゆっくりプレイス宣言。 『いらっしゃ~い♪』 「ゆっ?」 そこに現れたのは、一人のお兄さん。 「ゆっ!くそじじい、ここはまりさたちのおうちだよ!!」 「ごはんをよういしたら、さっさとでていってしんでね!!」 「「「「しゃっしゃちょちんでね!!!」」」」 『んふふふふぅう~、これはとてもイジメ甲斐のありそうなゆっくりだねぇうふふうふふ♪』 まりさたちの背筋(?)に悪寒が走った。 卑屈な笑みを浮かべ、口から涎を出し(目は光っててよくわからない)、下半身むき出しのお兄さん。 手をワキワキと鳴らしながらまりさ達に近づいてきた。 「ゆっ……ゆっ……くり…………にげるよ!!!!!」 「ばりざああああ!!でいぶとこどもだぢをおいでがないでええええええ!!!」 「「「「まりしゃおきゃーしゃん、まっちぇええええええええ!!!」」」」 再び割れたガラスから逃げようとするまりさ一家。 しかし、 『ん~ふふふふぅふうぅ~どこへ行くのお兄さんから逃げられると思うの馬鹿なの死ぬの』 あっさりと捕まった。光の速さで用意された<透明な箱>に入れられるまりさ一家。 『ん~ふふうふふふ、今夜はオールナイトで楽しみましょうねぇ♪』 パチン、と指を鳴らしたお兄さん。その背後から、ニュッと虐待道具が姿を現す。 ありとあらゆる道具が揃ってるみたい。よかったね、まりさ一家。 「だずげでええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」 のどかな田舎町に、一家の悲鳴がこだました。 ********************************** 終わりです。読んでくださった方々、ありがとうございます。 こういうネタだと筆が進むのも早いです。 次の機会がありましたら、また読んで頂ければ幸いです。 今まで書いたもの すっきり魔ありすの調査? ゆっくりぱちぇ 必殺……?1~3 ゆっくり現代を生きるよ! このSSに感想を付ける
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憂「でもどうする? スプーン一個じゃ……」 わたしが言う間に、お姉ちゃんはかちゃかちゃとスプーンを鳴らして 何かのルーとライスをちょっと混ぜ合わせた。 唯「はい、あーん」 喜色満面のお姉ちゃんがスプーンを向ける。 ……いいのかな? 憂「あ、あーん」 先にひとくち食べさせてもらった。 トマトの酸味がして、ようやくトマトハヤシだとわかった。 憂「……おいし」 唯「えへへ……さてさて」 お姉ちゃんは再度スプーンを器に差し込むと、スプーンにひと口ぶん掬う。 そしてそのまま、ぱくりと食べてしまった。 唯「おー、おいしいね」 間接キスがね……なんてお姉ちゃんは思いもしないんだろうけれど、 にっこりとしておいしいと言ったお姉ちゃんはすごく可愛かった。 憂「……ね、ねぇ、お姉ちゃん?」 いけない。 食事中なのに、ドキドキしてきちゃった。 唯「ん?」 お姉ちゃんはまた同じようにハヤシライスをすくう。 憂「も、もしかして、ずっとこれ続けるの?」 唯「あ、憂もお姉ちゃんにあーんってしたい?」 憂「え、えっと」 お姉ちゃんは思わず浮いた私の手に、スプーンをぎゅっと握らせた。 私がくせで手を開くのを見越していた動きだった。 唯「へへ、あー」 お姉ちゃんが口を開ける。 落ちつくんだ、私。 普段通りに、よこしまな気持ちを抱かずに。 憂「……あーん」 ぱくり、とお姉ちゃんが差し出したスプーンに食い付いた。 歯の当たった振動と、するりとくちびるが抜けていく感触が伝わって…… どうしよう、ぜんぜん興奮がおさまってくれない。 唯「えへへー。はい、憂も食べないと」 器を押し付けられ、お姉ちゃんに促される。 憂「う、うん……」 お姉ちゃんの口の中に入ったスプーン。 お姉ちゃんが舐めたスプーン。 わたしは、ほんの少しだけご飯をすくった。 憂「……い、いただきますっ」 思い切って、口の中へ。 お姉ちゃんがやったであろう形と同じように、舌を這わせて……。 唯「うい、おいしい?」 お姉ちゃんが頭を撫でる。 お姉ちゃんの中では私なんて、まだちっちゃな子供なんだろう。 憂「っん、おいしいよ」 どうやら、私の気持ちはひとつの臨界点をこえたようで、 スプーンを離すころにはかえって落ちついていた。 唯「はい憂、食べさせてー」 憂「うん。はい、あーん」 結局わたしたちは器がすっかり空になるまで、何度もご飯を食べさせあった。 ロウソクの火の色のせいで、お姉ちゃんは私が顔を赤くしていたのには気付かなかったみたいだ。 おかげでずっと見続けていられたお姉ちゃんの笑顔は、一生の思い出になりそうだった。 器を床に置いたころには、ロウソクがもうじりじり言い出していた。 ペットボトルのお茶を飲みながら、お姉ちゃんは消えかけのロウソクを見ている。 唯「憂も……飲んでおいたほうがいいよ」 憂「えっ?」 唯「暗くなって、ペットボトルがどこいったか分からなくなったら困るでしょ?」 唯「だから暗くなる前に、しっかりお茶飲んでおかないと」 そう言って、お姉ちゃんはさらにお茶をがぶがぶ飲む。 でも言うとおりだ。 水分はとっておくにこしたことはない。 ただでさえ蒸し暑く、汗をかきそうな夜なのだ。 憂「そうだね、そうする」 私もペットボトルを拾って、お姉ちゃんのようにがぶがぶ飲む。 お腹一杯になったころには、ペットボトルは半分ほどの軽さになっていた。 私は蓋を閉めてペットボトルを床に立てた。 さきに水分補給を終えたお姉ちゃんと同じようにしたのだ。 唯「……あっ」 お姉ちゃんが声を上げる。 明かりが弱まりだしていた。 憂「もう消えちゃうね」 唯「う、うん。そうだね」 お姉ちゃんは今更不安になってきたのか、すこし吃った。 明かりはどんどん小さくなって、最後は火花のようになって消えた。 唯「……ふーっ」 お姉ちゃんが長く息を吐いた。 憂「……消えちゃったね」 唯「うん、まっくら」 明るさに目が慣れていたのもあって、何も見えない。 お姉ちゃんがぺたぺたと私の背中に触れた。 私を探してるのかな。 憂「……お姉ちゃん、わたしはここだよ」 わざと少しお姉ちゃんから離れて、お姉ちゃんを呼ぶ。 唯「わっ、憂どこー?」 慌てた様子でお姉ちゃんが腕を伸ばしているようだ。 そんなお姉ちゃんが可愛くてもう少し感じていたくて、またちょっと距離を取る。 憂「ここだってば」 唯「ん、そこかな?」 お姉ちゃんが五感で私をとらえたのが分かった。 次の瞬間、お姉ちゃんにぎゅっと抱きしめられる。 唯「みつけたー、つかまえたー!」 お姉ちゃんは正面から抱きついてきていた。 正面はいちばん気持ちいいしくちびるも触れそうになるから好きなんだけれど、 ドキドキしてるのがいちばんバレやすいからちょっと怖い。 憂「えへ、つかまっちゃった」 唯「ふっふっふ……よいしょ」 ベッドの上で抱き合っている。 真っ暗だから大丈夫だけど、 もしお父さんたちが今の私たちを見たら何か勘違いをするかも、なんて思った。 唯「ふー。落ちつく」 お姉ちゃんがくったりと私にもたれかかる。 私もお姉ちゃんに寄りかかって、少し強く抱きしめた。 唯「……ねぇ、憂」 憂「ん?」 唯「真っ暗だとさ……何にも見えないね」 唯「それに、何にも見られない」 憂「……でも、私にはお姉ちゃんが見えてるよ」 憂「お姉ちゃんだって、私が見えてるでしょ?」 闇の中に、お姉ちゃんの輪郭が見える。 それはきっと、暗闇に目が慣れたせいだけではなかった。 唯「うん。憂が見える。見えるんだけど……ね」 抱きしめているお姉ちゃんの体が、すこし震えたように感じられた。 唯「それってことはさぁ……私、いま、憂しか見えてないってことなんだよ」 お姉ちゃんの抱きしめる手がゆるんで、顔が私の目の前にきた。 頬を撫でていった息は、すごくしめっぽくて熱かった。 憂「お姉ちゃん……?」 唯「憂は、いい子だよね」 泣きそうな目をして、お姉ちゃんは言う。 唯「さっきだって、お皿割ったこと正直に言ったし」 憂「……でも、私が隠し通してたら、お姉ちゃんはここに閉じ込められずに済んだのに」 唯「いいの。今そんな話してないから。……それに、私」 お姉ちゃんがまた微かに震えた。 唯「わたし、むしろ嬉しいんだ。憂と一緒に閉じ込められたんだから」 憂「……」 唯「……ねぇ、うい」 お姉ちゃんが、再度問いかける。 憂「……なあに、おねえちゃん」 唯「……憂は、いい子だから」 お姉ちゃんがごくりと唾をのんだ音が、耳に残る。 唯「私の、質問にも……素直に答えてくれるよね」 憂「……う、ん」 腕の中のお姉ちゃんがぶるぶる震える。 もしかして、震えているのは私のほうなんだろうか? うまく、しゃべれないし。 唯「あのねっ……憂は……」 唯「憂は、こんな、ね? わたしに……」 お姉ちゃんは泣いていた。 蒸し暑い中で、汗のようにぽたりと垂れた涙が、服のお腹にしみた。 唯「……わたしがっ。好きだっていったら……」 唯「付き合って……なんて……くれないよね」 お姉ちゃんが後ろに下がろうとした。 憂「……」 唯「ごめん、うい……わ、わた、じぃ……」 やっぱり震えているのはお姉ちゃんだよ。 ぼろぼろ泣いてるお姉ちゃんを力の限り抱きしめる。 唯「ごめん、ごめんねぇっ……好きに、なっちゃったぁ」 唯「ごぇ、んねっ……許してぇ」 憂「……お姉ちゃん」 私はお姉ちゃんを抱き寄せて、耳にくちびるを近づけた。 憂「……嘘はだめだよ? 私だけしか、見えないんでしょ?」 唯「うい……?」 憂「ちゃんと私を見て。お姉ちゃんだけを見てる私だけのこと」 泣きはらした目で、はなの垂れた鼻で、汗ばんだ肌で。 ろれつのまわらない舌で、赤く色づいた耳で。 お姉ちゃんは私を見た。 憂「……はい、嘘泣きやめようね」 お姉ちゃんの頭を撫でて、だきしめるのを一旦中断。 唯「……ぁ」 お姉ちゃんはくたびれたみたいで、肩をおろしてしばらく荒い呼吸をしていた。 だけど、わたしが笑顔を向けると、 あやされた赤ちゃんみたいに満面の笑みになった。 唯「……憂ぃ」 お姉ちゃんが、ゆっくりもたれかかるように私に寄り添った。 唯「……わたしは」 お互いにドキドキしてるのが、くっついた胸からよく伝わる。 唯「……私は、憂のことが大好きです」 唯「だから……つきあってください!」 お姉ちゃんは私を見つめて、言いきった。 わたしも、全身でお姉ちゃんを見つめる。 憂「……はい。喜んで」 ぴったり抱き合ったまま、私たちは離れなかった。 底も見えない暗闇の中で、お姉ちゃんの存在だけがはっきりわかる。 世界中に、私とお姉ちゃんだけがいる。 唯「ういっ……」 憂「うん……」 表情も格好も、気持ちもわかる。 わたしはほんのすこし首を傾けるようにして、待ち受けた。 ―――― 翌朝、私たちは寝乱れた服とベッドを直して、鍵の開くのを待った。 ペットボトルを探してお茶を飲み、お姉ちゃんの求めに応じてキスをする。 そんなことをしていると、やがて鍵の開く音がした。 母「二人とも、朝よ。しっかり反省したかしら?」 扉を開けたお母さんは、とたんになんだかなんともいえなそうな顔をした。 苦笑い? 憂「まぁ……そうかな?」 唯「うん、もうおっけーだよ!」 母「そう。じゃあ出なさい」 唯「えへへ、やった!」 お姉ちゃんはベッドから飛び出すと、我先にと地下室の扉に走っていき―― お母さんに服を掴まれ、捕獲された。 唯「え、な、なにお母さん?」 お姉ちゃんはなんだか焦ったような顔。 そんなに慌てることかな? どうしたんだろう。 母「……唯」 一方、お姉ちゃんをつかまえたお母さんはそれはそれは笑顔で。 母「うまくいったみたいねー?」 そう言ってお姉ちゃんの頭をがしがし撫でた。 憂「うまく……いった?」 その言葉によって浮かぶ、ひとつの疑念。 もしかして、まさかお姉ちゃん、そんなわけないよね。 唯「な、なんでもない、なんでもないよ憂!」 憂「……お母さん、お姉ちゃんと話があるからちょっと鍵かけてくれない?」 母「オッケー!」 お母さんは身をひるがえすとドアの外に出て、鍵をかけてくれた。 憂「さて……説明してもらおうかな、お姉ちゃん?」 唯「ひいいいぃぃ!!」 ドアの前でうずくまるお姉ちゃんを抱き上げて、ベッドに投げ込む。 まっくらは、時間の感覚をなくす。 この暗闇に朝がやってくるには、まだしばらくかかりそうだった。 おっしまい 戻る
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ゆっくり。その響きは嫌いではない。 私もどちらかといえばゆっくりした人間であるからかもしれない。 10年ほど前であろうか。 世の中でゆっくり種という謎の生物が発見され、その後爆発的に繁殖したと聞く。 しかし当時それを見たことのない私には、まったく実感の無い話であった。 その数年後、こんなゆっくりした私にも愛する人ができた。 妻と結ばれ、子を授かり、ゆっくりと平凡ながら幸せな生活を送るようになっていた。 丁度その頃に初めて、ゆっくりという生物を目撃した。 そのゆっくりは家族で楽しそうに野原を駆け回っていた。 後で調べたところ、ゆっくりれいむという種別だったらしい。 見た瞬間は正直面を食らった気分になったが、あまりに楽しそうなその姿を見てこちらも和んだ。 散歩に来ていた私と家族は、ゆっくりれいむ家族に食事を分け与え、ゆっくりとした時間を満喫した。 その後は私も妻も育児と仕事に必死で、ゆっくり達と出会う事も無くなっていたが、、 そんな思い出もあって、ゆっくり達に悪い印象は無かったと言い切れる。 しかしさらに数年後のある日。転機が訪れた。 その日は我が子が風邪をひいて寝込んでいたこともあり、いつもより早めに仕事を切り上げた。 栄養のつくもの食わせてやろうと、市場によっていつもより良い野菜と果物を購入して帰宅した。 ……私はただただ、呆然とした。 庭の畑が何者かによってぐちゃぐちゃに荒らされており、その横では妻が倒れていた。 幸い、気を失っているだけということはわかったが、その時点で私は気が動転していた。畑は妻が趣味と実益を兼ねて始めた小規模な物だったが、我が家の大事な食料源でもあった。 その後、無造作に家の扉が開かれているのに気づき、急いで中を確認しに入った。 強烈に悪い予感がした。 ……私はただただ、呆然とした。 4尺はあろうか。 ゆっくり種としては突出して重量感のあるその物体は我が子の寝床でドスンドスンと激しく跳ね続けていた。 「ゆっくりしようよ! ゆっくりしようよ!」 巨大なゆっくりれいむが大きな声でそう言っていた。 ……私はただただ、呆然とした。 その寝床には風邪をひいて高熱で倒れた我が子が横たわっていたはずだ。 私は寝床の上で跳ねているその物体に全力で体当たりし、寝床の上からどかした。 「れいむになにするの! ゆっくりできないひとはでていってね!」 その物体が何やら抗議してきたようだが、私の耳には入ってこなかった。 ……私はただただ、呆然とした。 我が子はやはり寝床で横たわっていた。息も絶え絶えに。 「ぜんぜんゆっくりできないよ! おうちかえる!」 そう言った巨大なゆっくりれいむはいつの間にかどこかへ消えていった。 ……私はただただ、呆然とした。 その後落ち着きを取り戻すまでは時間がかかった。 妻が起きてきた所でハッと我を取り戻し、医者を呼んだ後に妻に事情を聞くことにした。 曰く、突然巨大な物体が大事な畑を荒らしているのに気づき、それを阻止しようと畑にでて口論になったところ、その物体に体当たりを食らわされて失神してしまったらしい。 ゆっくり種の体はやわらかい。しかしあれだけ重量感があれば話は別だ。 あんなのに体当たりされたり、上で飛び跳ねられたら…… 大の男ならまだしも、女子供は命が危ないことは明白である。 そして事実……我が子は事切れてしまった。 医者は間に合わなかったが、間に合っても手の施しようは無かったかもしれない。 数日もすると、事実に耐えられなくなった妻は気をおかしくしてしまい、当分実家で預かってもらうことになった。 私もしばらく茫然自失となり、職を解雇されるまで至ってしまった。 そんな私がゆっくり種を憎む側の人間になるのに、さほどの時間はかからなかった。 しかし時として好機は来るものである。 近くの山にゆっくり加工所が開設されたのである。 私はそこの日雇いから入り、事あるごとに研究所に顔を出し、ゆっくりの生態について学ばせてもらった。 それから5年の月日が経ち、私はゆっくり加工所の研究員として活躍するに至っていた。私はこの5年間、ゆっくり種についての知識だけをひたすら溜め込んだ。 たった1つの目標のためなら、どんな事も苦にならなかった。 その中で、例の巨大なゆっくりれいむについてわかったことがある。 明らかにゆっくりとしては規格外のその巨体は、やはり突然変異的な物である。 環境汚染か、相当な悪食だったか、その辺りの理由が重なって産まれてきた、 生まれながらにしての巨体。 あんな化け物は恐らくこの地域には他にいないであろうことも予想できた。 そんな化け物の餡子はとてもじゃないが人間の食事に出すことなどできない。 何が混ざっているかわからない、極めて粗悪な餡子であるという仮説もたった。 日々研究を続けていた私も、ついに運命の出会いを迎えることになった。 野生のゆっくり種の生態調査のために出かけた山中で見つけた巨大な洞窟の中にゆっくりの巣を発見した。 遠目に見てもわかる。身の丈4尺はあろう、ゆっくり種としては突出して重量感のあるその物体。 あの日から一時として目から離れなかった醜悪な光景。 忌まわしき巨体がその子供達と思われる小さいゆっくり達と共に、ドスンドスンと跳ね続けていた。 子供達は通常のサイズな辺り、やはり突然変異なのか。 「ついに……見つけた……!」 私の本能が反応した。間違いなく奴であろう。 この時私の浮かべた笑みは、傍から見れば薄気味悪い事この上なかったであろう。 職場に戻るや、私は研究準備のため1週間の休暇を願い出た。 5年間土日もまったく休まずに研究を続けていた私が、である。 私の上長は急な願いにも関わらず、快く休暇を与えてくれた。 その日は早めに仕事を切り上げ、加工場で不要になった餡子を分けてた後に、早速先ほどの洞窟に向かった。 「ごめんくださーい、ちょっと中でゆっくりさせてもらいますよー」 私は洞窟の入り口でそう告げると、ゴザを広げて座りこんだ。 「「「ゆっ!?」」」 相変わらず洞窟の中を跳ねている子ゆっくり達が反応し、サッと親ゆっくりの後ろに隠れてしまった。 「おじさんだれ? ゆっくりできるひと?」 「ここはれいむたちのおうちだよ。 ゆっくりできないひとはでていってね!」 「ゆっくりできるひとなら、たべものをもってきてね!」 いきなり食料の要求ときた。しかしそんなことは想定済みである。 その時ふと例の巨大な親ゆっくりが声をかけてきた。 「おじさん、どこかであったことある?」 私は心底慌てたが、なんとか取り繕う。 「ははは、初めてだよー。キミ、すごくおおきいねー。」 我ながら白々しいが、ゆっくりには充分だったようだ。 「えっへん」 褒められていると思ったようだ。皮肉もこめたのだが全く通用するわけもない。 しかし、その愚かな点も今はありがたい。さらに追い討ちをかけることにした。 「さあどうぞ、甘くて美味しいよ! ゆっくりたべていってね!」 工場で分けてもらった餡子を取り出し、地面にぶちまけると、母ゆっくりの後ろに 隠れていた子ゆっくり達が、目にも見えない速さで食いついてきた。 「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 気づけば、一番疑っていた親ゆっくりが我先にと餡子に食いついている。 餡子の正体を知れば少しは動揺するのだろうか。それとも理解すらしないだろうか。 「おじさん、いいひとだね!」 「ゆっくりしていってね!」 「これおいしいから、もっといっぱいもってきてね!」 完全に気を許したようだ。しっかり食料を要求する辺り、どうにも分かり合えない気もしたが、もはや分かり合う必要も無いであろう。 日も落ちてきてそろそろゆっくりの行動時間もわずかだ。 早く計画を実行したい私は少し強引ながら、次の行動に移った。 「でもごめんね、ここではあんまりゆっくりできないんだ。おじさんがゆっくりできる所があるから、そこに行ってゆっくりするよ。」 「ゆっ!?」 「ゆっくりできるの!?」 「ゆーっ!ゆっくりしたいよ!」 「つれていってー!つれていってー!」 ありがたいことに、まんまと乗ってきた。 私はゆっくりれいむ一家を我が家に招待し、畑で取れた野菜を煮物にして食べさせてやった。 隠し味には少々睡眠薬を盛ってやった。明日からが楽しみである。 翌日。 寝室にいた子ゆっくり達が目を覚ました。 「「「ふぁー、すっきりー」」」 随分と熟睡されたようで何よりである。 「お? 起きたようだね。寝心地はどうだったい?」 心底どうでもいいのだが、一応軽く声をかけてみると反応が返ってきた。 「「「おじさんだれ?」」」 ……これだ。 ゆっくりを飼っている愛好家達はどうやって主人の事を覚えさせたのであろう。 あるいは強い心的外傷でも与えてやれば、嫌でも忘れられなくなるのであろうか。 私がこやつらの親ゆっくりを一時でも忘れたことが無いように。 邪悪な気持ちが噴出してしまう前に話を進めなければならない。 「おじさんはね、君達のお母さんのお友達だよ。」 「「「……ほんとに?」」」 今のこやつらにとって、私は初見の人間でしかなくなったためか、やはり警戒されている。面倒なことこの上ない。 「本当だよ。今はお母さんが食べ物を探しにいっているからね。戻ってくるまで、ゆっくりしていってね!」 その言葉に子ゆっくり達の体はピクンと反応し、強張った表情も一瞬にして氷解した。 「ゆっくりー!」 「ゆっくりまっているね!」 「おじさんもゆっくりしていってね!」 単純で扱いやすい。 食や住処への異常な貪欲ささえ見せないでくれれば、かわいい愛玩動物になり得るのかもしれない。 しかし今はその貪欲さを利用させていただく。 まずは食べ物を与えて手懐け直す必要があるため、私は子ゆっくり達の食事を用意した。「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 まったく意地汚い。もっとゆっくり食せばいいのに。 一通り食べ終わってゆっくりしている子ゆっくり達の警戒心が薄れている内に、さらなるゆっくりを与えてやることにした。 「ところで君達、もっとゆっくりできる所があるんだけど、行ってみるかい?」 加工場に勤務する者にとって、もはや常套句である。しかしそれゆえに効果は高い。 警戒心の無くなった子ゆっくり達の反応は異常に速かった。 「もっとゆっくりできるの!?」 「ゆーっ!もっとゆっくりしたいよ!」 「とっととつれていってね!」 どうしてこうも苛立たせるのか。これに関しては天賦の才能なのであろうか。 しかし、私は苛立ちを押さえ、とっとと畑の一角に子ゆっくり達を案内してやった。 「さあ、ここが新しいおうちだよ。これからはずっとここでゆっくりしていってね!」 私が一晩かけてこやつらのために作った、ゆっくりれいむを模った特製の小屋である。 「ゆーっ!」 「おかあさんにそっくりー!」 「いっぱいゆっくりしていくね!」 予想以上の大好評。作った甲斐があるという物だ。感謝の言葉のひとつもないが。 子ゆっくり達は早速家に駆け込むと、すやすやと眠りについた。 それも仕方ない。満腹な上にゆっくりを保障された空間が確保できたのである。 自画自賛になってしまうが、この子ゆっくり達がこれ以上ゆっくりできる空間は他には無いと断言してもいいだろう。 ……何せ母親の胎内なのだから。 昨晩、ゆっくり一家を眠らせたあと、一晩かけて親ゆっくりの体に手を加えた。 体内につっかえ棒を埋め込み、口内に一定のスペースを保てるようにした。 舌も下あごに固定し動かないようにした。おそらく喋ることも適わないだろう。 仕上げに口には扉を設置した。ゆっくりハウスの完成である。 ……ここまでやっても目覚めないことに、むしろこちらが戸惑ったのであるが、それは余談である。 やや突貫工事となってしまったが、おかげで安心してゆっくりできる環境を子ゆっくり達に提供してやることができた。 事実、子ゆっくり達はゆっくりハウスの中で「ゆー……ゆー……」と寝息を立てている。 ……一方の親ゆっくりは子供達を飲み込んでしまわないように必死であろう。 子ゆっくり達が親ゆっくりの口内に入っていく瞬間の親ゆっくりの表情は私の心に爽快感を与えてくれた。こんな気分は何年ぶりだろうか。 その夜は前日の徹夜の影響もあり、久々にゆっくり眠ることができた。 翌日、また子ゆっくり達が騒ぎだした。 母が帰ってこない、食事が無い、と。 実際は母は身近にいるし、食事も新しい住居の内部にあるのだが…… しかしまだまだ子ゆっくり達にはゆっくりハウスでゆっくりしていただきたいので 仕方なく食事を与えることにした。 「おじさんだれー?」 ……またか。 「ここはれーむたちがみつけたおうちだよ!ゆっくりできないひとはかえってね!」 ……いい加減にしろ。 「いっしょにゆっくりしたいなら、はやくたべものをもってきてね!」 ……この場で踏み潰してやりたい。 しかし再び湧き上がる邪悪な気持ちを、ここで発散してしまっては台無しである。 私はゆっくりハウスを作る際にできた副産物を、今日も振舞ってやった。 「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 昨日今日と与えた食事は餡子である。 人間が食すには粗悪すぎる餡子だが、ゆっくり達には気にならないようだ。 子ゆっくり達の食事量を考えれば2~3日分になるであろう量がとれた。 あまり取りすぎては親ゆっくりが死んでしまうので、最小限にとどめたのだが、 それにしてもこの量である。 無駄に巨大な親ゆっくりが私の役にたった唯一の瞬間であろう。 食事をするのを見届けた後、私は家に戻ってゆっくり休暇を満喫することにした。 その後、しばらくして子ゆっくり達がまた騒ぎ出した。 「おかあさん、どこー?」 「おかーさーん、はやくかえってきてね!」 「おうちでいっしょにゆっくりしようよ!」 食事中はすっかり忘れていたであろう母親の事をようやく思い出したのであろうか。 まったく薄情な奴らだ。 母親はこやつらのために何も食せず頑張っているというのに。 さらに翌日。 ゆっくりハウスにヒビが入っていることに気がついた。これはまずい。 子ゆっくり達を野原で遊ばせて、ゆっくりハウスの補修作業を行う事にした。 といっても、干からびない程度の水を与えるだけなのであるが。 あまり早く親ゆっくりが死んでしまっては興ざめである。 もっとゆっくりと苦しんでいただきたい所存であるのだから。 夕方になると子ゆっくり達が帰ってきたので、家に残っている最後のゆっくり餡子を振舞った。 もうこれ以上こやつらに何かを与えてやる気はない。 その後2日間、私は家の戸締りを厳重にした上で、家の中から隠れてゆっくり達の行動を観察していた。 母がいなくなり、食事がなくなった子ゆっくり達。 年長であろう姉ゆっくりが年少のゆっくり達をはげましているが、だんだん疲弊してきたことは手に取るようにわかった。 しかし少しすると、ゆっくりハウスの中から、何か喜んでいる声が聞こえてきた。 どうやら、ゆっくりハウスの中に存在していた餡子に子ゆっくり達が気付いたようである。 おそらくはゆっくりハウスの内部にヒビが入って漏れ出したのであろう。 おかげで親ゆっくりは痛みに耐えるようなすごい形相になってきている。 外から観察している私にとっては、非常に興味深い展開となってきた。 親ゆっくりは極度の飢餓状態に加えて、内部から餡子が漏れ出したことにより、意識が朦朧とし始めているようだ。 子ゆっくり達はそんなことなどまったくしらずに餡子にむしゃぶりついているようだ。 さらには体躯の左右バランスが悪くなってきている。 おそらく餡子流出の影響で体内に入れたつっかえ棒も倒れ、その意味を成さなくなっているのであろう。 親ゆっくりはもはや精神力のみでゆっくりハウスの形状を保っているのだ。 ゆっくりハウス崩壊の時はゆっくりと着実に近づいていた。 そしてその日の夕飯時に、ついにその時は来た。 子ゆっくり達の「「「いただきまーす」」」の声。 「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 いつもの食事風景が終わって半刻ほどしたところで、それは起きた。 ガタン! ゆっくりハウスが縦につぶれ、口の部分の扉がひしゃげてはずれてしまった。 つっかえ棒なしで口の中のスペースを確保し続けることに、限界がきたのであろう。 親ゆっくりももはや気力が尽きていたようである。 1週間何も食していない親ゆっくりの口に閉じ込められる子ゆっくり達。 「ゆ? ゆゆーっ!?」 「くらいよ、ゆっくりできないよ!」 「はやくだしてよ! もっとゆっくりしたいよ!」 もう親ゆっくりは、こやつらを自分の子供なんてことは認識できていないであろう。 そして親ゆっくりは本能の赴くまま、口内の物体を食しはじめた。 「うっめ、メッチャうっめ、これ」 「むーしゃ、むーしゃ」 「はふはふ、あまあま」 久しぶりの食事を、涙を流しながら咀嚼する親ゆっくりれいむ。 悲しいほどに幸せそうである。 固定されていた舌も先ほどの衝撃の際に動かせるようになっていたのであろう。 畑の一角にはもはやゆっくりハウスの跡形はない。 ただ1匹の巨大なゆっくりれいむがゆっくり食事を楽しんでいるだけであった。 「ゆ゛ぐう゛ぅ゛!?」 「や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛!!」 「お゛があ゛ざん゛だずげでえ゛え゛え゛え゛!!!」 口内から何が起こっているかもわからない子ゆっくり達の悲鳴が聞こえてきたが、程なくしてその声も弱まっていった。 「むーしゃ!むーしゃ!ごっくん」 「しあわせー!」 親ゆっくりは相変わらず涙を流しながら、1週間ぶりの食事を堪能したようである。 それを見て、私の中で燻っていた邪悪な気持ちが昇華されたような気がした。 翌日、一週間の休暇を有意義に過ごした私は、いつもより早めに加工場へ出勤した。 あらたに手を入れなおしたゆっくりハウスを台車で運ぶためである。 栄養も与えてやり、肌艶ももどってきた。餡子も補充してやった。 おかげで過去の記憶があやふやになっているようだが、どうせ記憶力などは必要無い。 さしたる問題はないであろう。 私はこれをゆっくり加工場の新商品として、さらに機能を高めていこうと考えている。 私と同じようにゆっくりに辛い目に合わされた人間の気持ちを晴らすためにも。 これは害ゆっくり種の駆除にその青春を捧げた1人の男の戦いのドラマである。
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第七章-第一幕- 地下特訓 第七章-第一幕-その1 第七章-第二幕- 勇者軍主力部隊はアイリーン・マフィアの好意で、 地下施設による特訓を開始するべく、地下通路へと入った。 「オリハルコニウムセラミカルチタンゲート、開放!」 ケヴィンの声と共に地下通路へのゲートが開放されると、 暗く、狭い通路が出てきた。 「あの……すみません、いいですか?」 といきなり挙手したのはライナスであった。 ケヴィンが怪訝な顔をする。 「どうした、ライナス?」 「もうちょっと広くなりませんかね、これ。 ちょっと事情があって、狭い場所は苦手なもので……」 「それならこうしよう。隔壁オープン!」 すると、壁という壁の大半以上が地下へと沈んでいく。 どうやら制御できるように作られているらしい。 「助かります。お恥ずかしい話ですが、小さい頃、悪戯が過ぎて よく母に閉じ込められてからというものの、 どうも狭い場所は苦手で」 と、ライナスは苦笑する。 「母親、か。やはりロゼッタなのか?」 「はい?」 「いや、いい。聞かなかった事にしてくれ」 「はあ……母がロゼッタなのは間違いないからいいんですけど」 ケヴィンが懸念したのは、ジーニアス家の血統を継いだこの男が、 あるいは祖父ユリシーズ=ジーニアスの クローンではないか、という点だった。 母であるはずのロゼッタはあまり恋愛に 興味がありそうでもなかったし、 そもそも消息を基本的に絶っていたので、いまいち真実が見えない。 勇者軍軍規によれば、子孫が残せない場合は、 クローン培養もやむなし、というのが勇者軍の基本方針故に、 ケヴィンが疑うのも無理からぬ話ではあった。 自分が妻と結ばれ、メイベルを儲けたのも、すべからく僥倖である。 その事を嫌という程ケヴィンは理解しているのだ。 現総帥エリシャ=ストレンジャーの実弟であるが故に。 「さあ、特訓を開始しようぜ、何する!?」 やたら張り切っているコンラッドだったが、リゼルは冷静だった。 「では、午前中は各自、新必殺技…… というよりは奥技の訓練をしましょう。 で、午後からは基本的に乱戦による訓練が必要かと思います」 (乱戦の訓練?) ジルベルトがまったく理解できておらず、 大福を抱きながら首をかしげる。 その姿に無駄に愛嬌があったりするが、緊張感はいまいち無い。 「はい、隊長。スプレッダー幼生体や成体はともかく、 僕の乏しい経験から言うと、ウィルスユーザーズとの戦いでは 大半以上が乱戦になると思います。そこで多くの敵に包囲されても 適切に対処出来るように、乱戦の訓練をするんです」 「おー」 と、ソニアも拍手する。 「ですから具体的にアイディアは二つあります。 文字通りバトルロイヤル的に 味方も敵も識別を無くしてから模擬戦闘を行う、もしくは……」 「チームを二つに分けて対抗戦、というところか」 「ジークさん、ご名答です。これも実戦的と言えるでしょう。 判断は……そうですね、レイリアさんに委ねてみましょう」 「あたし?」 突然名指しされてレイリアがびっくりする。しかし彼女は冷静だった。 「うーん、そうだね。あたしだったら前者かな。乱戦っぽいし」 しかしそれに異を挟んだのはエイリアだった。小芝居も忘れない。 「いやちょっと待ってよ。それは確かに正論かもしれないけれど、 勇者軍はあくまで集団戦闘を是とする団体なのよ? 乱戦と言っても、そこまで統制を失うのは危険だわ」 「何をー! 妹のくせに生意気ー!!」 「姉さんこそ私情で軍の行動を決めないで!」 きー、きーと喚きながら喧嘩が始まると、リゼルは遠くで笑っていた。 「あはは、収拾が付かなくなっちゃいましたね」 「笑ってる場合かッ!?」 即座にテディのツッコミが入る。 「というわけなので予想通り収拾が付かなそうなので、 メイベルさん、どうぞ」 と、リゼルの無茶振りがメイベルに飛ぶ。 「わ……たしですか?」 コンラッドの陰に隠れてしまったメイベルではあったが、 一応考えてはいたのか一分後、きっちりと答えを出してきた。 「私はチームを分ける方がいい……と……思います……」 それだけ言うと、今度は恥ずかしそうにシエルの陰に隠れた。 「……だそうだけど?」 と半眼でシエルが言ったので、 レイリアとエイリアの喧嘩は止まった。 「仕方ないね。どうせ隊長もそうなんでしょ?」 「さもありなん、だな」 エイリアは早速化けの皮が剥がれているが、 ジルベルトは特に気にする事もなく、頷いた。 それから五日間もの間、猛訓練は続いた。 午前中には予定通り奥技の訓練、午後はチームを分けての訓練。 ただしバトルロイヤル案との折衷のため、チームは三つとなった。 チーム・A(アルファ)にジルベルト、ユイナ姫、レイリア、ソニア。 チーム・B(ブラボー)にライナス、エイリア、コンラッド、メイベル。 チーム・C(チャーリー)にテディ、リゼル、シエル、ジーク。 午前中の特訓が終わった後、昼食の席にて、ジルベルトは 自らの手製によるお弁当を広げた。 (ソニアさん、食べて) と、ソニアに差し出してやる。 「えっ、いいの!? 私に?」 (前、食べたいって言ったの) その中身は、ソニアの大好きなハンバーグだった。 「嬉しい……ありがとう!」 ぱくり、と一口。 母親の味のようだ。見事と認めるほかない。 ソニア自身も料理はそれなりにこなすが、この味は格別だ。 「おいしい……!」 それを聞いたときのジルベルトの笑顔の何と輝かしい事か。 しかしユイナ姫も黙ってはいなかった。 彼女も料理は比較的上手な方だ。 アーム王家には珍しいことではあるが。 「ジル君、お弁当作ったの、食べて」 おいしそうな匂いにつられて、ジルベルトはそちらへと向かう。 色香より食欲。実にシンプルな男であった。 (おいしぃー) 「うふふ」 それをにこやかに眺めるユイナ姫だったが、 ソニアは内心面白くなかった。大事な人を取られた気分だ。 「やるわね、ユイナ姫……負けないわよ……あ、やっぱおいしい」 とジルベルト作の弁当をパクつきながら呟くソニアであった。 午後からの特訓は苛烈を極めた。 乱戦では騎兵の能力がフル活用される。ユイナ姫が大暴れし、 チームBは非常に大混乱した。 かと思えばリゼルの広範囲魔法が場を撹乱し、 ライナスの駿足が更に訓練場を混乱させる。 メインメンバーが一人しかおらず、しかも鈍足メンバーが多い チームCは非常にいい面の皮という他ない。 しかしチームCには回復要員のシエルがいる。 彼女がやたらと回復呪文を乱発するせいで、 タフさ加減では随一のものがあるチームCは、次第に 体力面で劣るチームAを圧倒する一面もあった。 しかし、一番の被害者は間違いなくメイベルだろう。 図抜けた鈍重さのせいでよく袋叩きに遭うわ、 状況によっては味方に盾扱いされているのだから。 「でぇいッ!」 銃を乱射するレイリア(もちろん訓練弾)の銃弾が、ライナスを襲う。 ライナスはメイベルの陰に隠れて、彼女を盾代わりに使う。 「甘い! 秘技、メイベルシールド!」 「ひぇッ!?」 全弾浴びるが、メイベルの真紅のアーマーはほとんど無傷だ。 ライナスは怯えまくりのメイベルからすぐに離れるが、 更に鈍重なメイベルへとソニア、ジークがそれぞれ襲い掛かる。 ごん! がきん! ばこん! どがっ! 鉄拳と斧の乱舞がメイベルへとことごとく叩き込まれる。 メイベルは中でふるふる震えているが、まったく効いていない。 しまいには殴り疲れて二人とも肩で息をするほどだ。 呼吸を整えた二人は、メイベルを無視してお互いを攻撃し始めた。 だがメイベルに安息の暇は無かった。続けてユイナ姫と テディによる乱闘に巻き込まれたのだ。 槍が、槌がメイベルへと叩き込まれる。凄まじい技の冴えだった。 それがメイベルの恐怖心を一層刺激し、そして彼女は――キレた。 「ふぇぇん!」 泣きながらブースターを一閃、 続けてアフターバーナーまで吹かして再加速。 がごっ!! がらがらがらがらずざざーッ!! 「ふがッ!」 (メイベル!?) 「きゃあぁッ!!」 自重の五倍は軽くあるアーマーによる超高速突撃は、 予想だにしない方向からの攻撃(?)に慌てるしかなかった コンラッド(味方)、ジルベルト(敵だけど親類)、 シエル(敵だけど親類)を、まとめて薙ぎ倒し、 大きく転倒する結果となったのだった。 それを呆然と見ていた監督役のグスタフだったが、 なんとなく呟いてみた。 「ふむ。アフターバーナーを使いこなしたか。 少々大胆に過ぎるが、奥技と捉えられなくもないな」 「ふぇぇん……えぇぇん……」 と。その一言で、奥技体得者一番乗りは、 意外にもメイベルとなった。それは特注アーマーの性能を 最大限に引き出したのに等しかったのだ。 まあ当の本人は恐怖に耐え切れず完全に泣いてはいたが。 あまりにもグダグダになったので、その日の訓練はそこまでとなった。 ズタボロに傷付いたジルベルト、シエル、コンラッドを残して。 その後、更に特訓は十日間にも及び、 合計にして半月近くを特訓に費やす 勇者軍主力部隊。その間に主だったスプレッダー幼生体は 各国連合軍、そしてウィルスユーザーズの手によって あらかた駆逐されつつあったが、本人達はそれを知る由も無かった。 時は大きく動き、十日後から再び始まろうとしていた―― <第七章-第二幕- へと続く>